西武・隅田からチェンジアップの助言ももらい投球の幅を広げていく

　次世代エース候補の根本悠楓のスライダーは天下一品だ。周囲の証言がある。オフのイベントで同僚の田中正義は「対戦したホークスの人から聞くんですけど、『真っすぐが強いし、スライダーもめっちゃ曲がる』と言っていた」と明かしていた。右打者に対する強烈な食い込み、左打者には果てしなく遠く逃げていく軌道は驚異的だ。 【選手データ】根本悠楓 プロフィール・通算成績 　中学時代から決め球の1つだった。2017年夏の全国中学軟式野球大会で全国制覇を果たしたときも打者を手玉に取った球種。高校、プロと進んでも、投球の軸としてきた。驚異の曲がりが伝家の宝刀となるには、やはり投球フォームの安定が必須。「体が前に突っ込み過ぎないように」と心がけるのは、どの球種も制球が定まり、スライダーが生きるからだ。 　昨秋は侍ジャパンに選出されてアジアプロ野球チャンピオンシップに出場し、スライダーが国際大会でも通用することを証明した。さらに、宝刀を磨くための新たな引き出しも手に入れた。「西武ライオンズの隅田(隅田知一郎)さんからチェンジアップを教えてもらいました」。もともと投げていた球だが、より進化させるために助言を仰いだ。 　伝授された隅田の宝刀は、根本のチェンジアップとは全く違った。「自分は“かける”感じだったけど、それが“抜く”イメージ。使えるようになれば、だいぶ投球の幅が広がる」という手応えも感じて、このオフに挑戦中だ。4年目の今季は先発ローテーションでフル回転することが目標。層の厚い先発陣を勝ち抜く宝刀をたくさん磨く。 写真=BBM