河村勇輝が語るNBAグリズリーズで学んでいること「自信を持って(八村塁と)一緒のコートに立てる時間がより多くなるよう、成長し続けたい」
【求められているのは10P・5Aより5P・10A】 ──コーチから役割として言われているのがアシストを出すことなので、得点よりアシストを意識しているということですが、得点しないとディフェンスも守りやすくなるし、ファンやチームメイトからは得点を期待されていますよね。そのあたりのバランスはどう考えていますか? 日本にいた時から言われてきたことだと思うんですけれど。 「特に、ああいうふうに(自分の出場機会が与えられる)勝負が決まったなかだと、チームメイトだったりファンの皆さんは、僕のスコアするところを期待してると思います。でも、それが本当にチームから求められてることなのかって言われると、そうではない部分もあると思います。そこの若干の難しさは僕も感じているのですが、でも、逆にやっぱり、ああいうふうに8分だったり(11月10日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦で7分59秒出場)出場時間が増えてくると、より自分の強みであるパスやアシストの部分のコントロールがしやすくなることは、ここ数試合やってみて感じています。 得点力の向上(課題であること)は、今に始まったことではなく、トムさん(トム・ホーバス日本代表ヘッドコーチ)にも言われて、いろんなシュートのバリエーションは増やしていかないといけない。これからNBAで活躍していくためには、もちろんその部分のタスクっていうのは、絶対にクリアしていかないといけない部分だと思うんですけど、今、本当に僕が求められていることはゲームコントロールやアシストの部分。10得点、5アシストするよりかは、5得点、10アシストするほうが多分今、チームから求められていることなんじゃないかと思っています。 何度も言いますけど、少ないミニッツのなかで求められていることがちょっと違うっていうのは、若干やりづらさはありますけど、そこもクリアしていけば、また自分の成長につながると思っています。今は得点力のところもそうですけど、アシストだったり、ディフェンスの部分でヘッドコーチだったりチームが求めていることを、より高い水準でできればいいなと思っていますね」 ──得点を多く取るというよりは、確率をよくすることが今後大事になってくるんじゃないかと思うんですけれど、今は3ポイント(12.5%)もフィールドゴール全体(18.2%)も確率があまりよくないです。それはNBAでは、ディフェンスが大きかったり、手が長かったりする部分でちょっと苦労しているのでしょうか? それとも、短い時間で出ているなかでプレーする難しさなのでしょうか。 「そうですね。本当に課題を挙げればきりはないですけど、NBAの(3ポイント)ラインの遠さだったり、ボールのサイズも違うので、そこはもちろん徐々に......というか、本当はすぐに慣れなければいけないところ。でも、練習ではそういった遠さみたいなものを感じることはあまりないので、あとは試合の流れのなかで慣れていくことがやっぱり必要になってくると思います。 僕もワールドカップやパリオリンピックで、NBAレベルの選手とのマッチアップはずっとしてきたので、そこの難しさはまだ、思った以上にすごく感じているわけではないので、あとはずっとベンチにいたなかで急にパッと出されたときに決めきれる力ですかね。やっぱりその力がないと、少しずつ(実力を)証明はできないと思います。短いプレー時間、また難しい状態のなかで、結果を残すことに意味があると思ってるので、そうした状況にも慣れていかなければと。現状で言うと、やっぱりそこでしっかりと決めきれる選手にならないといけないなと思っています」