『成功したオタク』

　韓国のドキュメンタリー映画『Fanatic（英題）』が、『成功したオタク』の邦題でシアター・イメージフォーラムほかにて3月30日より全国順次公開されることが決定した。 【写真】『成功したオタク』場面写真（複数あり） 　本作は、韓国芸能界を震撼させた性加害事件をきっかけに制作されたドキュメンタリー映画。あるK-POPスターの熱狂的ファンで、「推し」に認知されテレビ共演も果たし「成功したオタク」と呼ばれたオ・セヨン監督が、推しの逮捕をきっかけに同じような経験をした友人たちの話を聞きに行き、真の「成功したオタク」とは何なのかを問う。 　オ・セヨン監督が「刺激的な題材を扱っていますが、特定の人物を誹謗中傷したり攻撃すること は目的ではありません。この映画は最初から最後まで一貫して同じ話をしています。楽しい時間、つらかった日々を一緒に過ごしてきた【私たち】、【ファン】の話です」と語るように、「推し」が犯罪者になったらどうすればよいのかという受け入れ難い現実と向き合い、自分は被害者なのか加害者なのか、かつて彼を思って過ごした幸せな時間までも否定しなくてはならないのか、などと苦悩する様々な立場のファンたちの声を聞き、語り合い、その社会的意味を記録した、傷ついた「ファン」による「ファン」のための連帯と癒しのドキュメンタリーとなっている。 　また本作は、釜山国際映画祭ドキュメンタリー・コンペティション部門に出品され、韓国のアカデミー賞と称される大鐘賞映画祭最優秀ではドキュメンタリー部門にノミネートされている。 　あわせて公開されたティザービジュアルは、原題である「성덕」をハングルで大きくあしらったデザイン。성덕（ソンドク）とは「成功したオタク」という意味。「成功したオタク」とは、自分の好きな分野で成功した人や、好きな歌手や俳優に会ったファンなどを指す言葉である。 本作では「成功したオタク」の新たな定義を試みている。