知事も認めた「新スタジアム候補地の一つ」…移転表明の鹿児島サンロイヤルホテル跡地 課題山積でも「なり得る」3つの理由
鹿児島県の塩田康一知事は23日の定例会見で、移転新築を表明した鹿児島サンロイヤルホテルの跡地について、鹿児島市が整備を目指す多機能複合型サッカースタジアムの「候補地の一つになり得る」との認識を示した。ただ、移転の実現や周辺地権者との用地交渉、土地取得費用など「超えなければならないハードルがある」と述べた。 【写真】〈関連〉現行の白波スタジアム、鹿児島サンロイヤルホテル、ドルフィンポート跡地などの所在地を地図で確認する
候補地となり得る理由に、ホテルと周辺の土地を合わせた敷地の広さ、近接する鴨池公園への編入で国の補助金活用が期待できる点、中心市街地に近い立地を挙げた。 市は2月、早期整備の必要性を理由にスタジアム候補地としていた鹿児島港本港区北ふ頭(県有地)を断念。その後は県と連携し新たな候補地を選ぶとしている。ホテル跡地が候補地になる可能性について塩田知事は「いろいろな課題があるが、(県と市)で互いに認識している」と述べた。 ホテルは今月2日、建物の老朽化のため移転新築する方針を発表。長期定期借地で本港区の住吉町15番街区(県有地)への移転を希望している。 塩田知事は、近接のドルフィンポート跡地に計画する県新総合体育館との相乗効果や中心市街地の活性化が期待できるとし、再開発指針にも「合致する」と評価。現時点で明確なスケジュールはなく、県議会での議論を踏まえ、民間から他の提案がないか確認する必要もあるとした。
ホテルを運営する第三セクター鹿児島国際観光が所有する敷地は約1万9000平方メートル。市がスタジアム単体に必要と示す広さは約3万平方メートルだが、ホテルを含む区画は約4万3000平方メートルあり、大半が駐車場。周辺地権者は複数いて、現時点で用地交渉はなされていない。
南日本新聞 | 鹿児島
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