同じ「年収1000万円」でも支払う税金はぜんぜん違う!?「1人で稼ぐ高給取り」と「夫婦で稼ぐパワーカップル」を比較
1人で1000万円稼ぐ高給取りと、夫婦で1000万円稼ぐパワーカップル。一見すると稼ぎは同じに見えますが、実は支払う税金で差が付きます。本記事では、いくらぐらい税金に差ができるのか、解説していきます。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
パワーカップルとは
パワーカップルの定義ははっきりとは決まっていませんが、ここでは夫の年収が600万円以上、妻が400万円以上で世帯年収が1000万円以上の夫婦をパワーカップルとします。夫婦の共働きでお金をたくさん稼いでいる家庭ということですね。 これぐらいだと普通の共働きでは? と思う人がいるかもしれませんが、厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」(2022年)によると、世帯年収が1000万円以上の割合は12.6%ほどです。 さらに、全世帯の平均年収は545万7000円のため、世帯年収が1000万円を超えることはそれなりにハードルが高いです。
収入が高いとこんなに税率が高くなる!
収入には所得税がかかります。所得税では、1人が稼ぐ所得が多ければ多いほど税率が高くなります。 収入から経費を引いたものが所得です。給与をもらっている会社員の場合、給与所得控除といって、給与から一定の額が引かれた金額が所得になります。 では、収入が違うとどれくらい税率が違うのでしょうか? 例えば、収入が給与のみの会社員の場合、年収400万円だと所得は276万円。所得276万円だと税率は10%になります。 これが年収1000万円だと、所得は805万円。税率は23%になります。年収400万円と1000万円を比べると、税率が倍以上違ってきます。
実際どれくらい税金が違うの?
年収が違うと、かかる税率にかなりの差があることが分かりました。 では、1人で1000万円稼ぐ場合と、夫600万円・妻400万円で世帯年収が1000万円の場合ではどれくらい税金が違うのかをシミュレーションしてみます。なお、計算を簡単にするため、所得控除や税額控除は考慮せずにシミュレーションを行います。 ■1人で1000万円稼ぐ場合 1人で年収1000万円稼ぐ場合の税金を計算します。 給与のみで年収1000万円の場合、所得は805万円。805万円×23%-控除額63万6000円=121万5000円で、税金は121万5500円になります。 ■夫600万円・妻400万円稼ぐ場合 夫と妻、それぞれに所得税がかかります。 夫の年収が600万円のとき、所得は436万円。 436万円×20%-控除額42万7500円=44万4500円で、税金は44万4500円になります。 妻の年収が400万円のとき、所得は276万円。 276万円×10%-控除額9万7500円=17万8500円で、税金は17万8500円です。 夫婦の税金を合わせると62万3000円です。 税金の控除などを考慮しない場合だと、1人で1000万円稼ぐ場合と比較して夫婦共働きの方が、59万2500円税金が安くなります。