ロシア治安部隊、献花の市民拘束 モスクワ、抗議拡大を警戒
ロシアの反政府活動家ナワリヌイ氏の死亡が伝えられた翌日の17日も、首都モスクワなど各地で市民による追悼の動きが続いた。政権側は抗議行動拡大を警戒し、献花に並んだ人々を治安部隊が拘束。市民の不満を力で抑え込む構えを見せた。 ソ連時代に反体制派を弾圧した秘密警察KGBの本部があったモスクワ中心部の広場では、弾圧犠牲者をしのぶ記念碑前に16日から多数の市民が並びナワリヌイ氏のために献花。ロシアメディアによると、献花した人は同日だけで千人を超えた。 記念碑には花束に交じって、生前ナワリヌイ氏が口にした「諦めるな」のメモ書きも。制服の警察官が周囲を取り巻き「立ち止まるな」と声をかける。 ソ連の「水爆の父」で後に反体制派に転じたアンドレイ・サハロフ博士の名を冠した通りにある別の記念碑周辺には多数の警察車両が止められ、鉄柵が巡らされた。 やがて市民らの拘束が始まった。「早く逃げろ」。人々が走り出す。赤いバラの花束を握りしめた白髪の男性が吐き捨てるように言った。「やつらは、われわれを怖がっているんだ」