満足度は『ゴジラ』超え? 泣ける“逆詐欺映画”『すみっコぐらし』の“すみ”に置けない魅力
人気に拍車をかけた“逆詐欺映画”の存在
もともと人気コンテンツではあったが、さらにその人気に拍車をかけたのが、2019年11月に公開された『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』だ。 同作の舞台となるのは、喫茶店の地下室で見つけた“絵本の世界”。ひょんなことから絵本の世界に吸い込まれた「すみっコ」たちは、その先で迷子の「ひよこ?」と出会い、新しい仲間のおうちを探すための旅へ出る。 ……と、なんともかわいらしいあらすじなのだが、実際はただかわいいだけの物語ではなかった。物語後半にファンシーな世界観からは想像もつかない展開が待ち受けており、油断していた大人たちがこぞって涙腺を崩壊させたというのは今や有名な話だろう。 ある意味、『すみっコぐらし』らしいネガティブな要素が垣間見えたわけだが、そうとは知らない人たちからは良い意味で「逆詐欺映画」などと呼ばれていた。 2021年11月には劇場版第2弾となる『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』が公開され、前作対比177%となる好スタートを記録。そして現在公開中の『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』は、シリーズ最高となる初日の動員数8万9,508人を記録するなど、その勢いはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。 ちなみにネット上では最高傑作との呼び声も高く、Filmarksの初日満足度ランキングは、『ゴジラ-1.0』を抑えて1位を獲得している。「すみっコ」たちのまったく“すみ”に置けない快進撃は、これからもまだまだ続きそうだ。
キットゥン希美