カネミ油症の次世代調査で中間報告 二世の卵巣予備能が低い傾向
1968年に発覚した「カネミ油症」をめぐり、認定患者の子や孫を調べている国の研究班が患者などに「中間報告」を行いました。 油症二世の卵巣予備能が健常な女性と比べて低い傾向が見られたということです。 21日福岡市の会議室で開かれた第26回油症対策委員会です。 カネミ油症について調べる国の研究班のほか厚生労働省の担当者や患者などが出席しました。 研究班は認定患者の子や孫を対象にした次世代調査を進めていて、299人のうち19人が歯の病気があると回答し、このうち16人が歯の本数が通常より少ない「歯牙欠損」を訴えています。 また別の研究では油症二世の卵巣予備能が健常な女性と比べて低い傾向が見られ、 「油症暴露が影響を及ぼす可能性が示唆された」としていて、今後、詳しい分析を行う方針です。 患者認定の基準となっている血液中のダイオキシン類濃度は時間とともに低下すると みられると指摘しています 全国油症治療研究班 中原剛士班長 「これだけ長い時間がたっていて当初の基準をそのまま当てはめ続けるというのは 本当にきちんと意味のある下がり方をしているのであれば時代や経過に即した基準というのを再設定しないといけないと思う」 一方、長崎県が2023年12月に行った調査で回答があった人など未認定者57人の約9割が関節痛やしびれ感などの自覚症状を訴えています。 中原班長は「貴重で重要なデータ」としながらも「慎重に考える必要がある」と しました。
テレビ長崎