【長崎】アメリカ大統領にトランプ氏 被爆地・長崎の反応は?「緊張の毎日が続く…」
NCC長崎文化放送
アメリカ大統領選挙は共和党のトランプ氏が勝利しました。 【写真】アメリカ大統領にトランプ氏 被爆地・長崎の反応は?「緊張の毎日が続く…」
核大国アメリカの大統領にトランプ前大統領が返り咲いたことに、被爆地・長崎の反応は? アメリカ大統領選挙は共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が圧勝。 女性・アジア系初の大統領を目指した民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)は敗北しました。 これを受け、長崎県被爆者手帳友の会の会長を務める被爆者で医師の朝長万左男さん(81)は…。 長崎県被爆者手帳友の会・朝長万左男会長(81): 「核兵器の問題が一番心配しているんですけれども、(トランプ氏は)基本的にあまり核の削減や軍縮に熱心な人ではなかった。ただ北朝鮮の金正恩政権と交渉を果敢にやったという点は馬力のある人。第2回目の北朝鮮との交渉を期待する気持ちは僕もあるが、まだ全然分かりません。もっと突拍子もないことを言い出す可能性もあるかもしれないし、あの人は予測がつきづらい」 来年、被爆80年を迎える長崎から被爆者としてトランプ氏に伝えたいことは…。 長崎県被爆者手帳友の会・朝長万左男会長(81): 「トランプさんに一番言いたいのは、アメリカの核兵器政策を根本的に核軍縮の方にスイッチしてほしい。核大国同士の話し合いで核軍縮を強力にも進めるとか、あなただったらそういう指導力を発揮できるかもしれないと我々は思っていますよと申し上げて要望したい」 長崎大学核兵器廃絶研究センター「RECNA」の鈴木達治郎教授(73)は「緊張の毎日が続くことになるのではないか」と懸念を示します。 RECNA・鈴木達治郎教授(73): 「うれしいニュースではないですね。今全体的に悪い方向に向かっている状況なので、ハリス大統領になったとしてもそう簡単には良い方向には動かないと思っていたが、更に悪くなる可能性があるということで、大変心配しています。(トランプ氏は)大胆なことをやりたがる人なので良い方向にいけば本当に戦争が終わるかもしれないし、下手をするとどんどん戦争に巻き込まれていってひどい方向に行くかもしれないという不安はある」 一方で、「平和のために大胆な行動を取ってほしい」と期待の気持ちも語りました。 RECNA・鈴木達治郎教授(73): 「トランプがやった行動の中で唯一プラスの面で北朝鮮との対話がある。残念ながら交渉はその後失敗しましたが、彼ならもう一度ひょっとしたら金正恩と対話をする可能性が0ではない。今回やった時は前回の失敗を踏まえて、朝鮮戦争を終わらせて、北朝鮮を攻撃しないという約束をしつつ、徐々に核兵器を減らしていく方向で『朝鮮半島の非核化』という約束をもう一度復活させて交渉してほしい」 長崎市の鈴木市長は「『核兵器のない世界』の実現に向けて強力なリーダーシップを発揮し、可能な限り早い時期に被爆地を訪れて実相に触れ、被爆者の声に耳を傾け、一人の人間として心で感じてもらうことを切に願う」としています。
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