甲子園最終戦となり、ファンに手を振る三浦監督（撮影・田中太一）

　「阪神０－２ＤｅＮＡ」（３０日、甲子園球場） 　無失点リレーで岡田阪神をねじ伏せた。先発・吉野が６回無安打無失点の好投を演じ、リリーフ陣も八回まで“ノーノー継投”。投手陣の引き締まったパフォーマンスで４位・広島とのゲーム差を「２」に広げ、１日、２ゲーム差で控える４位・広島と最後の直接対決に臨む。 【写真】なぜかドヤ顔でリクエストする三浦監督 　吉野の快投が光った。直球と武器のフォーク、そしてカットボールを効果的に交え阪神打線を翻弄（ほんろう）。「昨日、（三浦）監督から力の入れどころ、そして抜く勇気というポイントの話をしていただき、良い投球につながりました」。前々回登板から２試合連続で五回持たずに降板した右腕に、指揮官が直々にアドバイス。吉野はその金言を見事に実らせた。 　甲子園のマウンドに立つのは、高校時代を通じ初めて。あこがれだった舞台に「自分は全然投げられない場所だったのでうれしかった」と笑顔を見せ、「すごく投げやすかったです。やっぱり声援がすごい」と無邪気に目を丸くした。 　ノーヒットを継続していたが、三浦監督は「まず勝つこと」と３位死守を目指すチームの勝利を最優先し、六回限りで交代。だが、若き右腕の好投がもたらしたテンションは、七回以降もリリーフ陣に波及した。 　ＣＳ進出が決まれば、吉野の登板の可能性も浮上してくる。指揮官は「ああいう形で投げていけばいい投球ができると思う。きょうをいいきっかけにしてほしい」と話した。