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　『FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2024 in TOKYO』が1月7日、8日に東京ドームで開催。2021年はオンライン開催だったため、観客を入れてのリアル開催は2019年以来4年ぶりとなった。 【写真】熱狂を生んだTHE PRIMALSのライブの様子 　同イベントは、オンラインRPG『FINAL FANTASY XIV』（FF14）の開発スタッフによるファンのための大会で、今夏リリース予定の拡張パッケージ『黄金のレガシー』の最新情報の発表をはじめ、同作のプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹による基調講演、「クスタルコンフリクトリージョンチャンピオンシップ 2023」の日本王者を決める決勝戦、野田クリスタル（マヂカルラブリー）らを迎えてのトークショーやファッションショー、さらに声優と共に名シーンを振り返るコーナーなどファンにはうれしい催しが目白押しとなった。 　また、DAY1のラストにはFF14楽曲のピアノアレンジでおなじみのピアニストKeikoによるスペシャルライブが開催。DAY2の最後にはサウンドディレクターの祖堅正慶を中心に結成した公式バンド“THE PRIMALS”によるスペシャルライブが開催された。本稿では、初の東京ドーム公演を行ったTHE PRIMALSのライブレポートをお送りする。 　光の戦士たるもの準備は怠らず。ライブ開演前「みなさ～ん！“エオルゼア体操”始まりまーす！」という声と共にステージにはフロッキーが登場して準備運動が始まった。ペンライトを揺らす動きやポーズを決める動き、“ヨルダンス”や“紳士の舞”なども取り入れられた体操は、ファンにはたまらない準備運動となった。また、ファンフェスではおなじみになったスクエニ社員2人組“もやし”も登場してTHE PRIMALSメンバーの紹介や秘蔵写真の公開などが行われたほか、声出し解禁のライブということで「声出しの練習」も行われた。このときの声はいつかゲーム内に実装されるとアナウンスされたこともあり、開演前から地響きのような歓声が東京ドームを埋め尽くした。 　その後、壮大な楽曲に乗ってメンバーがステージに登場。グラウンドの真ん中に設置された四角いステージはまるでバトルフィールドだ。世界中を巡ってきたファンフェス。そのファイナルとなる公演の最終決戦が、ついに始まった。 　1曲目は「ローカス ～機工城アレキサンダー：起動編」。ヘヴィなミクスチャーサウンドがド派手に打ち鳴らされると、ペンライトのグリーンが会場を埋め尽くす。間髪入れず疾走感あふれる「忘却の彼方 ～蛮神シヴァ討滅戦～」が繰り出されると、ファンは体を揺らして熱いサウンドに身を任せた。 　客席からの「祖堅さーん」と呼びかける声に、手を振って応えた祖堅。「ようこそTHE PRIMALSのステージへ！　今日はすげえところでライブをすることになっちゃった。最初は新宿JAMで100人くらいだったのが、いまは東京ドームってわけがわからないです（笑）」と、初の東京ドームに感無量といった様子。「今日しか聴けないやつをたくさん持って来たので、ビシバシAoEを飛ばしていくから、元気よく跳ね返してくれよな！」と客席に呼びかけ、「Scream（～万魔殿パンデモニウム：煉獄編～）」と次の曲名を叫ぶと、会場からは大歓声が沸き起こり、胸の奥に秘めた炎をたぎらせるような、ヘヴィ＆ダークなロックサウンドが広がった。 　メンバー紹介ではギターのGUNNが「ようやく声出しができるようになってうれしい。東京ドームでできて光栄です。僕も光の戦士であることが誇りでしかない！」と思いを伝え、〈どこから来たの？〉〈家～！〉と、お馴染みのコール＆レスポンスで会場を盛り上げた。ベースのイワイエイキチは、紹介されると寡黙にベースプレイで応えるのが通例。ドラムのたちばなテツヤは「東京ドームのみんな、まだまだ元気が足りないんじゃないですか？　最後まで盛り上がっていきましょう！」と盛り上げ、ボーカルのマイケル・クリストファー・コージ・フォックスは「イェ～～～～～！」とロングトーンを響かせて会場を沸かせた。そして我らが祖堅は、紹介されると「勝利のファンファーレ」をギターでプレイし、「ウィーアーTHE PRIMALS！　いくぞー！」と叫んで会場のボルレージをさらに上げた。 　この日はファンフェスという特別なステージでもあることから、複数のゲストが参加。いつものTHE PRIMALSとはひと味違うサウンドでファンを楽しませた。昨年YouTubeで公開されたMVも好評の「月満ちる夜 ～喜びの神域 エウプロシュネ～」にはバイオリンの伊藤友馬が参加し、観客の力強い大合唱が会場を埋め尽くす。「すごいなヒカセン（光の戦士）、火力たけえ！」と、祖堅はうれしそうな表情を見せた。 　「To the Edge」ではディレイを効かせたギターのイントロが鳴り響くと、ボーカルのジェイソン・チャールズ・ミラーが登場した。パワフルなハイトーンボーカルで会場を沸かせ、「祖堅さんにお礼を言いたいです。素晴らしい作品を作ってくださり、その一員として参加させてくださり、ありがとうございます」と言って、堅い握手を交わした2人。続けてバラードの「Close in the Distance」では、雄大なボーカルで光の戦士たちの背中を押した。 　さらに「Flow Together」ではアマンダ・アーヘンが登場。女神のような白いドレスを身にまとったアマンダは、「こんなにエキサイティングな場に呼んでいただけて光栄です。吟遊詩人のみなさん、どこにいますか？」と呼びかけて会場を沸かせる。観客はドームに広がるその美しい歌声に、身を任せて手や体をゆっくりと揺らした。 　非常にスペシャルだったのは「Endwalker – Footfalls」だ。ジェイソンのボーカルにアマンダがコーラス、さらに伊藤がバイオリンを重ねたステージは、ライブの大きな見どころとなった。ジェイソンのシャウトに続けてアマンダがハイトーンボイスを畳みかけた様子は、涙が出そうなほど感動的。重厚さと深淵さが合わさって、実に尊い光に包まれたような気持ちになった。 　ファンフェスならではのお祭り感で会場を沸かせたのは「天つ風 ～白虎征魂戦～」と「ロングフォール ～異界遺構 シルクス・ツイニング～」だ。「天つ風」では、祖堅が「花道の先にご注目！」と言った先に、着流し姿の大物演歌歌手＝吉田Pが姿を現す。グルーヴィーなサウンドに乗せて、ステージへ歩きながらこぶしを効かせた歌声を披露すると、会場からは拍手喝采が沸き起こった。また「ロングフォール」ではスクエニ社員によるダンサーが登場し、軽快なサウンドに合わせて華麗なダンスを披露した。このダンスは、振り付け師のMie Akasako氏が付けたとのこと。1か月前からコツコツ練習を重ねた成果を披露し、会場からもかけ声がかかって会場全体が一体となって盛り上がった。 　「ラスト4曲、結構疲れるぞ！」というコメントと共に、「此処に獅子あり ～万魔殿パンデモニウム：辺獄編～」「メタル：ブルートジャスティスモード」「ライズ ～機工城アレキサンダー：天動編～」「エスケープ ～次元の狭間オメガ：アルファ編～」とラストスパートへ。サビをみんなで〈パンデ、モ、ニウム！〉と叫んだ「此処に獅子あり～」。祖堅のトランペットが炸裂する「メタル～」では、ファンがペンライトを揺らしてジャンプ。コージの高速ラップも格好いい「ライズ～」は時間停止ギミックが発動し、東京ドーム全体がストップ状態になった様子は実に壮観。そしてラストを締めくくった「エスケープ～」。かき鳴らされるギターサウンドと打ち鳴らされるパワフルなビート、そして爽快に広がるコーラス。胸の奥底からよみがえる熱いゲーム体験が、光の戦士たちの心を震わせた。 　そして、3月27日にオリジナル・サウンドトラック『Forge Ahead: FINAL FANTASY XIV ～ Arrangement Album ～』がリリースされることも発表に。パッチ6.1「新たなる冒険」からパッチ6.5「光明の起点」まで、『ENDWALKER』のリリースから2年半に及ぶコンテンツの音楽を集めた、全93曲を映像付サントラ／Blu-ray Disc Musicで収録。この日に演奏された「忘却の彼方 ～蛮神シヴァ討滅戦～」や「Scream ～万魔殿パンデモニウム：煉獄編～」なども収録された同作。ゲームの感動だけでなく、ファンフェスの感動と思い出もよみがえるだろう。