新卒初任給アップも 三重・松阪飯南森林組合 水谷組合長「結構な数字の決算」
三重県松阪市飯南町粥見に本所を置く松阪飯南森林組合(水谷晴夫代表理事組合長、1837人)がこのほど、本所で第23回通常総代会を開催、上程された全9議案を原案通り可決した。前年度を上回る11億9140万円(前年度比約3307万円増)の事業総収益を計上、新卒初任給のベースアップも実現した。 総会には総代198人(定員は200人)のうち95人が出席、77人が書面議決。他に理事12人と監事4人の計16人の役員と竹上真人市長、田中祐治県議、中瀬古初美県議ら来賓5人が臨席した。 木下幸一副組合長理事が開会の辞を述べ、水谷組合長があいさつ。「最終的にいい結果を出させていただいた。きょうの総会においても結構な数字の決算を発表することになった」と言い「新卒の方の初任給をかなりベースアップしました」などと話した。 祝辞を述べた竹上市長は「希望の光を申し上げたい。カーボンニュートラルです。これから社会全体が脱炭素に向かっていく。その中で松阪市が今年からいよいよ売り出すのがJクレジット。単純に言うと松阪市が皆さん方の生産に適さない、木を出せない山を管理し、その代わりJクレジットの権利をもらう。松阪市は623平方キロメートルというすごい面積で、そのうち7割が森林。森林整備をすることによってJクレジットを債権として売ることができる」と。 また中瀬古県議は議員提案でできた三重の木づかい条例や、1日からスタートした森林環境税と森林環境譲与税に触れ、同組合が経営理念にもうたう「森林資源の有効活用」の在り方への共感を語った。 その後、田中庄司総代(74)=同市矢津町=を議長に選出して議事を進め、挙手による賛否で、全て原案通り可決となった。本年度の事業計画書では、指導、販売、加工、森林整備の4部門ごとに記され、森林整備では「引き続き、松阪市のCO2吸収量認定(Jクレジット制度)に係る調査を実施します。また、『森林環境税』を利用し、森林経営管理制度に関する意向調査や、境界の明確化を松阪市と連携して取り組みます」などとしている。