大の里（左）は阿炎に引き落としで敗れる（撮影・小沢裕）

＜大相撲秋場所＞◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館 　前日14日目に2度目の優勝を決めていた関脇大の里（24＝二所ノ関）は、関脇同士の一番で阿炎（30＝錣山）に突き落としで敗れ、13勝2敗で今場所を終えた。後続の霧島と若隆景には1差をつけての優勝だった。また敢闘賞、技能賞を獲得し、新入幕から5場所連続の三賞受賞を果たした。 【写真】大の里が敗れ苦笑いする父の中村知幸さんと母の朋子さん 　横綱が休場したため番付最上位で臨んだ大関同士の一番は、豊昇龍（25＝立浪）が琴桜（26＝佐渡ケ嶽）を押し出して、からくも勝ち越し決定。両者とも8勝7敗という、寂しい成績で今場所を終えた。 　大の里に、星の差2つの3敗で千秋楽の土俵に臨んだのは3人。関脇霧島（28＝音羽山）は、小結大栄翔（30＝追手風）を突き出して12勝目を挙げた。敢闘賞を受賞した東前頭7枚目の若隆景（29＝荒汐）も、今場所健闘した4敗の高安（34＝田子ノ浦）を押し出して12勝目。初優勝した22年春場所以来の12勝で、来場所の三役復帰の可能性も出てきた。敢闘賞受賞の西前頭13枚目の錦木（34＝伊勢ノ海）は、美ノ海（31＝木瀬）に押し出されて11勝4敗。先場所、最終盤まで優勝争いに加わった美ノ海は、2場所連続の2ケタ10勝を挙げた。 　既に負け越しが決まっている小結平戸海（24）は、御嶽海（31＝出羽海）を寄り切って負け越しを最小限の1点（7勝8敗）にとどめた。若元春（30＝荒汐）は宇良（32＝木瀬）を押し出して23年春場所以来の11勝目を挙げた。好取組の一番は、王鵬（24＝大嶽）が正代（32＝時津風）を寄り倒して9勝目を挙げた。 　ベテラン宝富士（37＝伊勢ケ浜）は遠藤（33＝追手風）を押し出して、16年名古屋場所以来8年ぶりの2ケタ10勝目を挙げた。苦しい土俵が続いている新入幕コンビは、東前頭16枚目の白熊（25＝二所ノ関）が13日目から休場。一方、やはり既に負け越しが決まっている西前頭14枚目の阿武剋（24＝阿武松）は、佐田の海（37＝境川）を寄り切って7勝目。来場所の幕内残留をほぼ確実にした。 　大相撲秋場所は全日程を終了。1年納めの九州場所（福岡国際センター）は11月10日に初日を迎える。