丹羽宇一郎氏が日中友好協会会長を退任、民間人初の駐中国大使 後任に宇都宮徳一郎氏
民間出身者として初めて駐中国大使を務めた伊藤忠商事元会長、丹羽宇一郎氏(85)が、2015年から担っていた日中友好協会の会長を退任した。後任には、同協会元会長で元衆院議員の宇都宮徳馬氏(1906~2000年)の孫で東京都日中友好協会会長、宇都宮徳一郎氏(56)=ミノファーゲン製薬社長=が就任した。 日中友好協会によると、会長交代は14日の定時総会で決定。2年間の任期満了に伴う役員改選で、丹羽氏は名誉会長に就任した。 丹羽氏は1998年から伊藤忠商事社長、2004年以降は会長、相談役を歴任した。民主党政権時代の10年から、民間出身者として初となる駐中国大使に就任。12年に離任後、15年から約9年間、日中友好協会の会長を担っていた。 新会長に就任した宇都宮徳一郎氏は27日、東京都港区の中国文化センターで就任後初めて講演。課題も多い日中関係は転機を迎えているとして、「(争いごとを)防ぐには若い頃から互いを知ることが大事。青年交流の力を良い形でつないでいきたい」などと話した。 日中友好協会は、中国との友好促進や経済関係の強化を目的に活動する日中友好7団体の一つ。宇都宮徳馬氏は日中、日ソの国交回復などに向けて尽力した政治家として知られ、1980年から92年まで同協会会長を務めた。(桑村朋)