【阪神】才木浩人7回無失点で今季6度目の“連敗ストッパー” 球宴初出場へ「真っすぐ勝負」
<広島0-3阪神>◇2日◇マツダスタジアム 阪神才木浩人投手(25)は大粒の汗を流しながらゼロを並べた。広島森下と7回まで緊迫した投手戦の中、1歩も引かなかった。7回1安打無失点、6奪三振の粘投。キャリアハイの9勝目はお預けも、113球を投げ抜いてチームの連敗は2でストップさせた。今季6度目の「連敗ストッパー」だ。 「正直1点覚悟しましたけど、ファウルフライに取れたのが一番大きかった。そこからちょっといけるかもという感じだったので、結果的にゼロでいけてよかったです」 ピンチは自らの失策からだった。2回、広島先頭小園の投ゴロを一塁へ悪送球。ボールが右翼へ転々としている間に三塁まで進まれた。無死三塁でも冷静だった。5番坂倉を150キロの直球で三邪飛に差し込み、菊池の投ゴロで三塁走者を挟んで2アウト。最後は矢野をスライダーで二直に仕留めて、安堵(あんど)の表情でうなずいた。 6回先頭の会沢に右前打を浴びるまで無安打無失点投球。さらに6回秋山から奪った空振り三振で、今季85奪三振。巨人戸郷の83奪三振を抜き、再びリーグトップに立った。 御礼快投だ。この日、ファン投票の最終結果が発表された。今季8勝の右腕はセ・リーグ先発部門で選出され、プロ8年目で初の球宴出場が決まった。「選んでいただいて、すごくありがたいし、ファンの方が喜んでくれるようなパフォーマンスをできれば」と喜び、ファンに感謝だ。どんな投球を見せたいか問われると「最初はカーブばっかり投げようかなと思ったんですけど、さすがに違うなと思って(笑い)。思い切り真っすぐ勝負でいきたい」と、ちゃめっ気たっぷりに意気込んだ。 この日も140キロ後半の直球に、フォークやスライダーを操り、広島打線を手玉に取った。「粘っていたら、今日みたいに最後に点が入ることがある。こういうピッチングが続けてできたらいいかなと思います」。「新・火曜日の男」が気迫の投球で勝利を呼び込んだ。【村松万里子】