相模原に加わる南アフリカ代表WTBアレンゼ

【ノーサイドの精神】リーグワン1部の相模原に、大物選手が加入した南アフリカ代表WTB／FBのカートリー・アレンゼ（28）だ。 昨秋のW杯フランス大会優勝メンバーの1人で代表キャップは22。7人制では2021年東京五輪に出場している。176センチ、80キロと日本人と変わらない体格ながら、爆発的な加速力を武器に走り回る。石井晃ゼネラルマネジャー（GM）によれば、「これだけの大物はシェーン・ウィリアムズ以来」。トップイーストで戦っていた2012～15年度に在籍した、小さなウェールズ代表WTBにさかのぼるという。 石井GMは、加入発表時に送られてきたリリースメールに、「加入に至ったのは、実績やスターだからという理由ではなく、人間性も含めチームにフィットする選手であること」とつづった。今でも頻繁にオンラインなどで連絡をとっているそうで、「話し方やいろいろな言葉から、人間としての良さも感じる」と話す。 相模原は2022年度に2部から1部に昇格し、同年は10位。昨季は9位だった。石井GMのリリースメールのコメントには「チームはラグビー界に衝撃を残せるよう準備している」との、ただならぬ文言もつづられていた。 「いままでの常識を超えることをしないと」と石井GM。相模原のプレシーズンは夏から厳しい練習で知られているが、今年はさらに強度を増した。「そういう中から生まれてくる結束力、一体感に、アレンゼのエキスが加われば」（同GM）。プレーオフ進出圏内の6位以内はマストなミッションで、その先へとたどり着くためには、世界の頂点を知り、「チームの成功のために全力を尽くしたい。フィールドの内外で貢献し、ダイナボアーズのファンの誇りになれるように頑張る」とコメントしたアレンゼの存在は大きいだろう。 南アフリカ代表にはリーグワンに所属する選手が多いが、CTBダミアン・デアレンデ（埼玉）、ジェシー・クリエル（横浜）、WTBチェスリン・コルビ（東京SG）と、TB陣がそろって日本で戦うことになった。この点はアレンゼも意識しているようで、石井GMは「やっぱりコルビとの対決は、お互いに負けられないと思っているんじゃないかな」。注目の東京SG戦は来年3月16日の第11節、リーグワン初開催となる京都の、たけびしスタジアム京都（西京極陸上競技場）で開催。古都を熱くさせるマッチアップを期待したい。（田中浩）