“タイパ”重視のビジネスマンには必須!? 新幹線の中でデスクワーク 電話もWEB会議も座席でできる「トレインデスク」って何? 実際に使ってみた
基本的には“おひとりさま”の利用がほとんど
昨今、「Z世代(1990年代なかばから2010年代序盤に生まれた世代)は『タイパ(タイムパフォーマンス)』を重視する」という言説が注目を集めています。 【画像】上越新幹線の中で“リモート会議”も可能!? 「トレインデスク」って何? 写真で見る(14枚) ただ日常的に新幹線を使う人にとっては、タイパはもう長らく、忙しいビジネスパーソンの当たり前の価値観になってると思えるのではないでしょうか。 平日の朝早い時間の新幹線の車内は、移動の時間を惜しんでノートPCを開き、素早くキーを叩きエクセルやパワーポイントの書類を作成、修正するビジネスパーソンの姿がそこかしこに見られます。 また夕方の新幹線でも、仕事を終えて軽い晩酌で疲れを癒やす人がいる一方、PCに向かい仕事を続ける人は珍しくありません。 もちろん、新幹線を運行するJR各社も、こうしたニーズに応えるサービスを用意しています。 このうち、JR東日本、JR西日本、JR北海道が、東北・北海道・上越・北陸新幹線で提供するのが、いわば“移動するシェアオフィス”、「TRAIN DESK(トレインデスク)」です。
トレインデスクは東北・北海道新幹線では7号車に、上越・北陸新幹線では9号車に設定される、「PC作業」「座席でのウェブ会議」「携帯電話の使用」など、仕事や勉強をする利用者を優先する指定席です。 利用にあたっての追加料金はなく、一般の指定席と同じ特急料金で利用できます。 座席は進行方向に固定され、「回転やグループでの歓談」は控えるよう呼びかけられています。つまり、新幹線車内で仕事しながら移動するビジネスパーソンに向け、適切な環境が整えられた車両というわけです。 では、実際の使い勝手はどうなのでしょうか。11月の平日、筆者が実際に上越新幹線に乗り、体験してみました。 まずはトレインデスク車両を指定しての、特急券の購入です。 「えきねっと」での希望列車の購入画面では、一般の「指定席」が「△(残りわずか)」だったのに対し、「指定席 TRAIN DESK」は「○(空席あり)」となっていて、シートマップを参照すると2列席の窓側(E席)と3列席の窓側(A席)のすべて、3列席の通路側(C席)のいくつかが埋まっていて、それ以外は指定可能な状態でした。 つまり基本的には“おひとりさま”の利用がほとんどだとうかがえます。その空席のなかから、車両中央部のC席を指定して、特急券、乗車券を購入しました。 利用の当日、始発の東京駅から乗り込みます。旅慣れたビジネスパーソンが多いためか、“新幹線あるある”な、荷物を網棚に上げる乗客が通路をふさぎ後続客をいらだたせるシーンは皆無で、乗ってきた人がつぎつぎと迷いなく自分の席に腰を下ろします。 最初の停車駅の上野駅でも、こうした乗車風景は同様です。そして上野駅を発車したあとは、無言の車内にPCのキータッチの音だけが聞こえます。