【SennaRin】世界に響く歌声!澤野弘之の世界観が集結した1stアルバム
初めてラブソングを作詞
――ヨルシカのボーカルであるsuisさんが参加した楽曲「vous (feat.suis from ヨルシカ)」は、アルバムの目玉の一つです。不穏感漂うアルバムの中で、ホッとできる曲だと思いました。 SennaRin:ここで一息ついていただければ(笑)。ヨルシカさんの楽曲が好きで、私の体と思い出にsuisさんの歌声が染みこんでいるので、コラボが決まった時はとてもうれしかったです。suisさんのお声は切ないけど希望が感じられて、suisさんならではの温かさがあって。私とは全然違う声質だけど、重なると似ているように聴こえるところもあって、「不思議だね」ってsuisさんと二人で話したことも楽しかったです。 ――歌詞はSennaさんとsuisさんの共作で、ちょっと切ないラブソングという感じです。 SennaRin:澤野さんから「ラブソングを書いてみたら?」と言っていただき、初めてラブソングの歌詞を書きました。私が日本語で全部作詞をして歌った音源をsuisさんにお渡しして、部分的にsuisさんの言葉に置き換えていただいたかたちです。私が歌詞の中で想像していた世界を、suisさんの言葉が思わぬ方向に広げてくださって感動しました。 ――タイトルの「vous」はフランス語ですよね? SennaRin:はい。suisさんのお名前の表記がフランス語なので、suisさんとコラボをすると決まった時から、「曲名は絶対フランス語にしたい!」と思っていて。それでフランス語で「あなた」を意味する「vous」になりました。 ――ラブソングの作詞の他に、今作でチャレンジしたことはありますか? SennaRin:「TO THE END」と「ADRENA」でラップにチャレンジしたことと、「melt-o」で、デビューEPに収録している「melt」を、オーケストラバージョンにして歌も新録したことです。オーケストラの収録にも立ち会わせていただいたんですけど、何の楽器の収録か知らされないままスタジオに行ったら、澤野さんが「オーケストラの録りだよ!」とサプライズしてくださって。大編成でレコーディングも迫力があってずっと感動しっぱなしでした。デビューから2年磨いてきた曲ですし、このオケに負けない歌にしたいと思って、その時の音源を何度も聴き込んでレコーディングに挑みました。 ――他にも多彩な楽曲を収録しています。 SennaRin:はい。「mEЯR0r」(※正式にはEの上にふたつ点あり)は、デビュー前にダークヒーローやヴィランにフォーカスして作詞をした楽曲です。アナトール・フランスという詩人の「悪こそは、善の唯一の存在理由である」という名言を参考にしています。また「theFLOWER」は澤野さんの作詞で、「私が(「vous」で)初めてラブソングを作詞したから、澤野さんもラブソングを書いてほしいです」とお願いをして書いていただきました。少し希望の感じ取れる、私とは違った角度のラブソングなのですが、別れの切ないラブソングであるのは私と共通です。〈どこかで忘れてどこかで抱きしめて〉というフレーズがとても好きで、レコーディングの時は歌いながら思わず感極まってしまいました。そして、秋にはアルバムの楽曲を引っ提げてのライブを予定しているので、ぜひ聴きに来てください!
榑林 史章