【独自解説】相次ぐ“操作ミス”が原因の高齢ドライバーによる事故 一方で免許返納は減少傾向…そこにある課題は?ライドシェアは救世主になる?
加速する公共交通機関の運転手不足
そんな中、路線バスの減便や廃止も加速しています。大阪の金剛バスが12月20日で全線廃止。大阪・京都・滋賀を走っている京阪バスが来春までに16の路線を廃止。千葉中央バスや関東鉄道なども大幅減便となっています。鈴木氏によると「路線バスの減便・廃止の波は全国に広がっている」ということです。
主なバス会社127社に問い合わせたところ81.1%が2023年以降に減便や廃止をすると答えています。その要因として、沿線住民の減少・燃料高騰・運転手不足などがあるということです。また、2024年4月から法改正で「時間外労働の規制強化」が行われます。その影響として、ドライバーの拘束時間の減少、売り上げ・利益の減少、ドライバーの収入の減少などが起こります。日本バス協会は、運転者の数は今後減少して行き、このままでは2030年には4万人が不足すると予想しています。鈴木氏は「地域インフラを担う運転手の魅力発信も重要」と指摘しています。 Q.2024年の法改正でどんな問題が出てきますか? (鈴木氏) 「2024年問題は、バスだけではなく全ての物流などのドライバーに言えることですが、バスだと退勤をしてから次の業務まで最低9時間あけなければならなくなります。朝のラッシュ時にドライバーを確保しようとすると、夜間は繰り上げないといけなくなるなどの影響が出てくると予想されます」 Q.例えば地元に戻ってバスの運転手をしようと思ってもハードルが高いように思います。 (鈴木氏) 「バス会社や自治体が、運転手の養成や免許取得の支援などをしています。故郷で仕事ができるというのは、バスやタクシーの運転手の魅力なのですが、その魅力の発信ができていないと思います」
さらにタクシー業界の運転手不足も深刻です。車の数はそれほど減っていませんが、利用者がコロナ禍で大きく減ってしまいました。運転手の数も2013年~2023年の10年で約2割減少しています。いま、コロナ禍が明けて利用者が増加しているのですが、運転手がいないという状態です。鈴木氏によると「都市部では、高齢化により夜間のドライバーが不足している。地方では、人も車も不足しエリアのカバーが困難」ということです。 (鈴木氏) 「まず、コロナ禍で離職者が多くいたというのがあります。そしてドライバーの平均年齢がどんどん上がっていて、あるタクシー会社の経営者は『夜、目が見えないと言われると乗せるわけにはいかない』と言っています。そのため夜間のタクシーが拾えない、駅待ちのタクシーもいないということになっています。こういった状況の中で、二種免許の在り方などはこれから議論されていくと思います。二種免許の難易度や費用の面も緩和することによってプロドライバーを育てることも必要だと思います」
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