1イニングでマルチ安打が2人も! 阿部巨人一挙7得点大逆転で4連勝
◆JERA セ・リーグ 巨人9―4広島(12日・東京ドーム) 巨人が逆転勝ちで今季初の4連勝を飾った。2点を追う6回、オコエ瑠偉外野手(26)の逆転2点打など、打者11人の猛攻で一挙7得点。萩尾、佐々木が1イニング2安打を放つなど、外野争いを繰り広げる若手がビッグイニングを演出し、今季チーム最多の9得点を挙げた。4回に3号ソロを運んだ岡本和真内野手(27)は打撃3部門でトップに浮上。ソフトバンクから加入した泉圭輔投手(27)が、6回1イニングを無失点で移籍後初勝利をマークした。 【写真】オコエ瑠偉、スーツ姿で宮崎秋季キャンプ入り まさに執念だった。オコエは一塁に到達すると、両手を高々と上げて喜びを爆発させた。1点差に迫り、迎えた6回2死満塁。カウント2―2から九里の外角低めスライダーに食らいつき、バットの先に当てた。強い打球ではなかったが、遊撃・小園のグラブの下を抜け、中前への逆転2点打。5試合ぶりとなる阿部監督のスタメン起用に応え、逆転勝ちのヒーローになった。 「執念で食らいつきました。くしゃくしゃでも何でもいいので、とにかくつながる打撃を、と。阿部監督に去年『ヒットはヒットだから』と言われた言葉が野球観を変えた。今日もヒットはヒットなので良かった」 外野の定位置を競う仲間たちも奮闘し、この回打者11人を送り込み一挙7得点で豪快に逆転。22年9月7日・DeNA戦以来となる1イニング7得点以上のビッグイニングとなった。先頭の萩尾が左前打で口火を切ると、プロ初の2番で出場した佐々木は中前打で好機を拡大。オコエの逆転打の後には、萩尾と佐々木にこの回2安打目となる連続適時打も飛び出した。 外野3選手はそろって適時打を含む複数安打。シーズンに入っても激しい争いを続ける若手が張り合うように結果を出した。今季最多9得点に、阿部監督も「ベンチで見ていて素晴らしいなと。つなぐところはつないで積極的に行くところは行って。そういうメリハリがああいう攻撃になったんじゃないかと思います」と称賛した。 現役ドラフトで楽天から加入して2年目。オフに家族と会った際には、母に「あと4~5年は頑張って」と激励された。「1年続けるのも大変なんだよ」と返したが、「1年ダメだったら危ないぐらいですから」と危機感を持ちながら、家族の期待に応えるためにも鍛錬を積んでいる。 3月中旬には苦手だった右打ちの課題を出され2軍に降格したが、8回無死一塁では一ゴロで走者を進めた。“宿題”を消化した一打に、指揮官は「点差があってもああいう打撃をしたのは絶対に次につながる」と拍手し、オコエも「課題をしっかり言ってくれるのが阿部監督。自分としてはすごくやりやすい」と感謝した。 背番号50の移籍後初となる勝利打点で、チームは今季初の4連勝。お立ち台は同じサードユニホームを初着用した昨年4月11日以来で、「1年に1回にならないように、もっと頑張ります。とにかくいい打率を継続するのが大事」と次戦を見た。激しい生存競争に身を投じ、とにかくがむしゃらに、バットで結果を残し続ける。(田中 哲)
報知新聞社