JR貨物のデータ改ざんで地方の書店が困った 突然の運行停止で本の入荷に遅れ 「台風の影響やっと収まったのに…」思わずため息
JR貨物による列車の部品組み立て作業データの改ざん問題で、鹿児島県内でも書籍の入荷が遅れるなどの影響が出ている。現在は通常運行に戻ってはいるものの、鹿児島市内の書店では13日も入荷がなく、「連休前の売り時に負担が大きい」と不満の声が漏れる。 【写真】入荷の遅延を示す案内=13日、鹿児島市中央町の紀伊國屋書店鹿児島店
紀伊國屋書店鹿児島店(同市)では、台風10号が接近を始めた8月下旬から入荷が滞り、11日に解消したばかりだった。その当日、突然の全面運行停止となり、小森圭悟店長(42)は「台風の影響がやっと収まったのに」とため息をつく。 同店では、13、14日に入荷予定の商品が16日まで遅れるという。通常の入荷に戻るのは18日以降の見通しで、新刊の発売や在庫の補充ができず、レジ前や本棚に案内を掲示した。県内の他の書店も同様で、入荷遅れの周知に追われた。 JR貨物の荷物が届く鹿児島貨物ターミナル駅(同市)は1日上下6本が運行する。1本当たり貨車11両編成で、上りは青果物や焼酎、下りは書籍や飲料品などを中心に運ぶ。 JR貨物を利用する浜田酒造(いちき串木野市)は、納品遅れこそなかったものの、運行の停止や再開という情報が入るたび、取引先への説明に回った。平石智也コミュニケーション部長(48)は「鹿児島は最南端で地理的に不利。今回のような不正に限らず台風や地震などもある。輸送手段の拡大を考えたい」と話す。
同駅では、12日の始発便から通常運行を再開している。清水健司駅長(47)は「今回の事態を真摯(しんし)に受け止めている。迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪した。
南日本新聞 | 鹿児島
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