第2次トランプ政権の影響は小さいが…2025年「フィリピンの経済成長」を阻む「3つの潜在的リスク」
一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週の焦点は2025年のフィリピン経済・ビジネス動向。1月20日に再びトランプ政権が発足しますが、フィリピンへの影響は? 【動画】日本のシン富裕層✖︎永住権・移住
2025年に注目されるセクターとは?
2025年の株式市場では利下げと経済成長の加速を背景に、銀行株と消費者株を有望視。COLフィナンシャル・グループは、「銀行株は引き続き好調が予想されます。利下げとGDP成長の加速により、融資需要が高まるでしょう。調整局面で買いを検討してください」と述べています。 特に注目すべき銘柄として、BDO、BPI、MBTが挙げられています。また、消費者株については、モンデ・ニッシンやジョリビー・フーズが恩恵を受ける可能性が高いと指摘されています。「消費者株は低インフレ、経済成長の加速、および非常に魅力的なバリュエーションから利益を得るでしょう」とのことです。 フィリピン中央銀行の政策と市場の動向 フィリピン中央銀行(BSP)は利下げを「慎重に」進める方針を示しており、2025年には「100ベーシスポイント(bps)の利下げはやりすぎかもしれないとしています。BSPは2024年に75bpsの利下げを実施しました。 2024年のフィリピン総合株価指数(PSEi)は前年より1.2%(78.75ポイント)上昇し、6,528.79で年を終えました。2019年以来、年次ベースでの上昇となります。 業種別の見通し チャイナバンク・キャピタルは、「銀行、消費者、コングロマリット、不動産セクターにおいてお買い得な銘柄を注視すべき」と述べています。一方で、APセキュリティーズのリサーチヘッド、アルフレッド・ベンジャミン・R・ガルシア氏は、通信および消費者関連企業も今年はアウトパフォームする可能性があると予想しています。 不動産セクターについては、回復の兆しが年後半に見られる可能性があります。2024年には、リーチュウによると、フィリピン・オフショア・ゲーミング事業者(POGO)に対する全面的な禁止の影響で、空室となったオフィススペースが前年の41.8万平方メートルから65%増加し、69万平方メートルに達しました。