整備計画休止と料金改定含む経営戦略案は適当 下水道事業審議会が答申 館山(千葉県)
令和6年度から10年間の下水道事業経営の方針「市下水道事業経営戦略」について、館山市から諮問を受けていた市下水道事業審議会(角田吉夫会長・委員14人)は、下水道管路の整備計画の休止や使用料の改定を必要とすることなどを盛り込んだ、市が示した経営戦略案を適当とする答申をした。 同市の下水道事業は、使用料収入だけでは汚水処理費用が賄えず、経費回収率は54・9%(令和4年度決算)と低迷。毎年、一般会計から3~5億円の繰入金を入れて、やりくりする厳しい経営状況が続いており、2年度から事業区域の拡大も休止している。 今後も人口減少が見込まれる中、市では事業区域拡大は財政負担の増加につながるとみて、経営戦略案には下水道管路の整備計画を今後も当分の間、休止することを盛り込んだ。 さらに、同案では、令和元年台風や新型コロナウイルスの流行を考慮して、改定を見送ってきた使用料についても、収支改善に向けて改定を必要とする内容とした。 同審議会では、こうした経営戦略案について慎重に審議した結果、市の示した案を適当と判断する答申をした。角田会長が市役所で、森正一市長に答申書を手渡した。 市では答申を受けて、3月中に経営戦略を策定、公表する。料金の改定については、6年度に具体的な検討に入る考えだ。 同市の公共下水道は平成10年度に事業開始。事実上の全体計画区域は450ヘクタールだが、令和4年度現在の供用エリアは北条、館山、八幡地区を中心とした約209ヘクタールで、利用人口は4738人となっている。