北海道・冬の美瑛 × 中西敏貴
サンピラー
氷点下20度前後に冷え込んだ朝、日の出とともに現れる荘厳な現象。太陽柱とも言われる。寒い北海道でも、これほどのサンピラーが見えるのは美瑛周辺だけだ。またオーロラよりも出現の確率は低く、ひと月に数回あるかないか。温度、湿度、地形など、様々な要素がベストバランスで組合わさっているのが美瑛のサンピラーだ。
ダイヤモンドダスト
発生条件はサンピラーと同じだが、こちらは比較的良く見られる。厳しく冷え込んだ朝は晴れることが多いので、美瑛町内では市街地でも見ることが出来るだろう。しかし、撮影となると話は別だ。光の現象なので、背景が暗い場所を選ばないと上手く写らない。幸い美瑛は丘があるので、その起伏を利用してみると撮影しやすいだろう。
彩雲
サンピラーと並ぶ、冬の貴重な現象。冷えた上空の薄い雲に、強い太陽が当たると雲が虹色に染まる。山岳エリアの方が観測しやすいが、美瑛の丘でも時折見られることがある。ただし、これほど派手に染まるのは稀で、雲が流れていることもあり、バランスの良い場所で撮影するのはなかなか難しい。
霧氷
美瑛周辺は非常に美しい霧氷が見られる場所だ。整然と並んだカラマツ林や白樺並木などが多くあり、霧氷が付くとその美しさはさらに際立つ。冬ならばいつでも見られるというものではなく、月に1、2回あるかないか。早朝の美瑛の丘に立ち、霧氷の華が咲き乱れる様を見ていると、寒さも忘れてしまうほどだ。
雪
冬の美瑛は雪の日が多い。とはいえ、雪があるからこそ美しく、冬ならではの撮影が出来るのだ。美瑛にはこうした一本の木が多いので、そんな被写体をモチーフとして雪を表現してみてはどうだろう。雪原に凛と立つ木。美瑛ならではの冬景色といえるのではないだろうか。
日暈・日輪
上空に薄雲が広がり、とても寒い日にはハロとも呼ばれる日輪が美瑛の丘に架かる。空が広く、見渡せる場所の多い美瑛では、空を良く見ていると気づくことが多いはずだ。この現象は他の季節でも見られるのだが、冬に見られるものが一番鮮明になるように思う。それは、雪原があるため黒く潰れず、風景としても成立してくれるからだろう。