東電が福島第1原発の停電トラブルを謝罪 会合で経緯説明
東京電力福島第1原発で24日に停電で処理水の海洋放出が停止したトラブルを巡り、東電ホールディングスの新妻常正フェローらが25日、福島県いわき市であった県地域漁業復興協議会の会合で、トラブル発生の経緯を説明して謝罪した。県漁業協同組合連合会(県漁連)の幹部ら出席者は、改めて安全管理の徹底を求めた。 【写真】能登地震発生後の志賀原発1号機では油漏れも 処理水の海洋放出は昨年8月に始まったが、第1原発では作業員が廃液を浴びたり、汚染水が建屋外に漏れたりするトラブルが続発。そのたびに東電は再発防止を誓っているが、またも新たなトラブルが発生した。新妻フェローは「さまざまな面で迷惑をかけ、深くおわびしたい」と頭を下げた。 東電の説明によると、今回の停電は24日午前10時43分、所内に電気を供給する1系統が停止して発生。近くで行っていた掘削作業で作業員が電気ケーブルを損傷させたとみられる。処理水放出設備が停止したが、異常がないことを確認し、午後5時16分に放出を再開させた。 出席者からは「工事の際、図面は確認したのか」「異常があれば海洋放出を止めるシステムは正常に作動したのか」などとの質問があり、東電側は「現場の状況は今後、詳しく調べるが、システムは正常に作動した」などと答えた。 取材に応じた県漁連の野崎哲会長は「海洋放出を停止させるシステムが作動したという意味では安心したが、こういうことはなくしてほしい」とクギを刺した。【柿沼秀行】