九州北部豪雨から7年 東峰村 伝統の窯元 村への思い
テレQ(TVQ九州放送)
土石流が発生し3人の尊い命が奪われた東峰村。こちらは江戸時代から続く窯元、高取焼宗家の13代目の妻、高取七絵さんです。 高取焼宗家 高取七絵さん 「7年は結構長かったっていう気持ちと、やっぱり短かったという気持ちとのはざま。今年は何も無く無事に過ごせたらいいと思って心の中で祈っている」 7年前の豪雨では受け継いできた「穴窯」に土砂や流木が流れ込み、火入れができない状態に。「穴窯」は今も使うことはできません。一方でもう1つの窯、「登り窯」は被害を免れる。 高取七絵さん 「去年被災したんですけど、登り窯ですね」 1年前の大雨で、「登り窯」の石垣が崩れてしまいました。 高取七絵さん 「(窯の土台が)えぐれてしまって、穴が空いてしまった。なので今は登り窯は使えない状態です」 村が担う川の護岸工事はようやく今年9月ごろに始まる予定ですがその工事が終わらないと「登り窯」の修理はできないといいます。 さらに大雨の影響はほかにも。倒木が横たわっていました。 高取七絵さん 「木が折れている。これ多分今度の雨かだと思います」 毎年のように大雨が村を襲うなか7年前の被災を機に新たに作った窯があります。 高取七絵さん 「この窯が7年前に被災して、その時に新しく作った『単窯』という小さなまき窯です」 ここで作業をしていたのは、夫で13代目の八山さんです。「単窯」に初めて火を灯した6年前、八山さんは蛇を模した作品を手がけました。 高取八山さん 「蛇というのは水の使い。今回の災害にあたって、なにか水の神様にもお供えできればという思いで作った」 自然の猛威を見せつけられながらも高取焼宗家はこの地で焼き物を作り続けます。 高取八山さん 「いくら壊れてもまた立て直すしかない。もう絶対ここから離れる訳にはいかないので。何があろうとやっていくしかないと思っています」 高取七絵さん 「焼き物の里としても素敵なところではある。それだけじゃなくても、四季折々の自然のあの雰囲気がものすごくいいんですよ。自分はここを動かない」
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