世界的な指揮者だった西島秀俊“俊平”が廃団寸前のオーケストラに変革をもたらす＜さよならマエストロ＞
西島秀俊主演の日曜劇場「さよならマエストロ～父と私のアパッシオナート～」(毎週日曜夜9:00-9:54※初回25分拡大、TBS系)の第1話「それが彼の運命」が1月14日に放送された。同作は、“ある事件”で家族も音楽も失った父・夏目俊平(西島)と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘・響(芦田愛菜)が、地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し親子の絆と人生を再生させていく、完全オリジナルのヒューマンドラマ。妻・志帆(石田ゆり子)からの電話で俊平は20年ぶりに帰国することとなる。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】落語の話題でついつい笑顔になってしまう芦田愛菜“響” ■愛と魂の物語を彩る個性豊かなキャスト陣 西島、芦田の他、響の同僚のポジティブ思考で明るいトランペッター・森大輝役に宮沢氷魚、魔性のフルート奏者・倉科瑠李役に新木優子、クラシックに恋する高校生・谷崎天音役に當真あみ、クラシックを諦めたチェリスト・羽野蓮役に佐藤緋美、プレッシャーに弱いティンパニ奏者・内村菜々役に久間田琳加が配役。 また、俊平の息子・海役を大西利空、響と海の母親・志帆役を石田ゆり子、晴見市の市長・白石一生役を淵上泰史、コンサートマスター・近藤益夫役を津田寛治、うたカフェの店主・小村二朗役を西田敏行、物語の鍵を握る謎の男・鏑木晃一役を満島真之介、市民オーケストラの団長・古谷悟史役を玉山鉄二が演じている。 ■広上淳一がオーケストラを全面監修 脚本を手掛けるのは、金曜ドラマ「凪のお暇」(2019年)、「妻、小学生になる。」(2022年)などの大島里美。人の心の内側を丁寧に描き出す彼女が、初めて日曜劇場作品を担当する。 劇伴を担当するのは、「テセウスの船」(2020年)、「日本沈没―希望のひと―」(2021年)をはじめ、多くの作品を手掛けている菅野祐悟。近年はメディアを通した作曲活動とは別に、「生の音楽を聴いてほしい」という強い思いから、オーケストラによるコンサート活動も行っている。 さらに、東京音楽大学教授であり、日本クラシック界をけん引している世界的指揮者の広上淳一が同作のオーケストラを全面監修。また、オーケストラの演奏部分は東京音楽大学が全面バックアップする。 ■5年ぶりの妻からの電話で20年ぶりに帰国することに 5年前、指揮者の俊平は、音楽の街・ウィーンで指揮台に立ち、聴衆を大いに沸かせた。しかし、その時に娘の響きに“最悪なこと”が起きていたことを知る由もなかった。 5年後の2023年秋。指揮者を辞めた俊平は一人、ウィーンの街にいた。そんな俊平に、日本にいる志帆から電話がかかってきた。送られてきた離婚届のことかと思って電話に出ると、画家の志帆にフランスで仕事が入ったため、その間、帰国して子供たちの面倒を見てほしいというお願いだった。 「あなたが全然食えない時にパン代稼いできたのは誰だっけ？」 俊平はこう言われてしまうと何も反論できず、20年ぶりに帰国することとなった。しかし、娘の響と息子・海は俊平が帰ってくることを聞かされておらず、海は歓迎ムードだが、響は目を合わせようともしない。 音楽のこと以外の能力がゼロの俊平は家事が一切出来ず、気まずい生活がスタートした。 ■俊平は厳しい状況に置かれた晴見フィルの切り札 志帆のお願いで帰国した俊平だったが、子供たちが俊平の帰国を知らされていなかったように、“聞いてない”ことが続出。 晴見市役所観光課の古谷(玉山)は、市民オーケストラ“晴見フィルハーモニー”の団長を務めている。その古谷が、補助金を打ち切られそうになっているオーケストラで、俊平が指揮をしてくれるものだと思って夏目家にやってくるが、それも俊平にとって初耳。 古谷は志帆から話が通っているものだと思っていて、ここでも話がすれ違いになり、俊平は古谷の依頼を断ってしまう。 響は市役所の総務課に勤めているが、このタイミングで晴見市あおぞら文化ホールの担当に異動となった。このホールは、晴見フィルの定期公演が行われている会場。はからずも俊平と関わりを持つようになってしまうことに。 俊平は市長の白石(淵上)から、晴見フィルが置かれた厳しい状況を聞かされる。その状況を打破するために、世界的な指揮者だった俊平が切り札となる予定だった。 ■断るはずが、流れで定期演奏会に指揮者として参加することとなった俊平 ちゃんと断ろうと思った俊平は晴見フィルのレッスン場を訪れるが、演奏を聴いた俊平は「一つ提案が」と言って、楽譜をしまって、即興で演奏してみることを勧めた。目を閉じて、楽器の音を聴いて、音を重ねていく。俊平も目を閉じてその音を聴き入り、そして「この場で起こるすべての音を真剣に聴きました。それが音楽の始まりです」と。 断るはずが、根っから音楽が好きな俊平は無意識に足を踏み入れてしまっているようだ。日を改めて断りの返事をしにいくが、トランペットの音を聴いて、餃子のタレの付け方を例に挙げて、演奏のコツを伝授。 俊平の一言一言が魔法のように楽団たちの音と意識を変えていく。もうこうなったら古谷たち団員は少しでも多く俊平から教えを請いたくて、すがりつくように必死に食らいついていく。 補助金の打ち切りが決まり、3カ月後に廃団になることが確定すると団員たちは落胆するが、俊平は3ヶ月でもやれることがあると叱咤激励し、定期演奏会に指揮者として参加することを決めた。 晴見フィル再生の第一歩を踏み出した感じだったが、古谷が帰宅すると、そこで食事を作って待っていたのは志帆だった。フランスに行っているはずの志帆がなぜ日本に。しかも古谷の家にいるという衝撃と謎を残して第1話が終了。志帆には大きな計画があるような気がしてきた。次回が待ちどしい。 ◆文＝ザテレビジョンドラマ部
