オコエ瑠偉、高校時代のハングリー精神を取り戻せ!【新連載! 主筆・河嶋宗一コラム『グラカン』vol.1】
それでも私は覚醒を待つ
その後、オコエ選手の活躍は皆さんもご存じのとおりです。 夏の東東京大会でセンター前ヒットから二塁に陥れる走塁を魅せたり、甲子園では3回戦の中京大中京戦で抜けそうになる大飛球をランニングキャッチ。準々決勝の興南戦で決勝本塁打と、興奮させられるようなプレーを何度も見せてくれました。 高校日本代表にも選ばれ、ドラフト前の彼は目玉選手。3月のような単独取材はもうできません。合同取材という形で、取材時間も1社あたり、20分も満たない限られた時間での取材しかできませんでした。 ドラフトでは楽天から1位指名を受けます。1年目の合同自主トレの最中に寮まで赴いた私に笑顔で挨拶してくれたことを思い出します。 昨年の現役ドラフトで巨人に移籍したオコエ選手。昨年は開幕一軍入りして、41試合出場で2本塁打を記録しました。持っている才能からするとまだまだ物足りなさはありますが、ハツラツとプレーする姿にほっとさせられました。高校時代のハングリー精神をもう一度発揮して、熾烈な巨人のレギュラー争いに絡んでもらいたいと思います。 オコエ選手の取材を通じて、私はブレイク直前の“原石”たちを取材することの喜びを知りました。背景にある努力を知りました。だからこそ、彼のプロでの覚醒を心から願っているのです。 *主筆・河嶋宗一コラム『グラカン』は毎週日曜更新予定です。次回をお楽しみに!