Wi-Fi HaLowで1~2kmの長距離接続、無線アクセスポイント「EAP112」~ビーマップが販売開始
株式会社ビーマップは、Wi-Fi HaLow(IEEE 802.11ah)に対応した無線アクセスポイント/IoTゲートウェイ「EAP112」の販売を開始した。4G LTEのバックホール機能も搭載しており、LANケーブルの敷設が難しい場所への設置が可能。本体はIP65等級の防塵・防水性能を備え、動作環境温度は-30℃~50℃。「これまでWi-Fiではカバーが難しかった広大な敷地や、厳しい自然環境において、IoTソリューションの構築を可能にする」としている。 【この記事に関する別の画像を見る】 Wi-Fi Halowは、920MHz帯を使用して長距離通信が可能なWi-Fi規格。最大通信距離は利用環境や通信条件によって変化するが、ビーマップがEAP112の実機で測定したところ、2kmに達したという。なお、障害物の少ない河川敷での実測値だとしており、建物や植物などの障害物の多い場所では飛距離が大幅に低下する可能性がある。最大通信速度(理論値)は、4MHz幅のシングルストリームで15Mbps(日本での最大バンド幅は4MHz)。ただし、2kmの距離では通信速度が低下するため、テレメトリ(10~30kbps)での利用に限定される。ネットワークカメラなど動画送信(200~300kbps)では、最長1km程度だとしている。 Wi-Fi Halowのほか、LAN側は、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)のデュアルバンド(5GHz/2.4GHz帯)にも対応し、通常のWi-Fiアクセスポイントとしても使用可能。ギガビット対応の有線LANポート×1も備える。また、IoT機器との通信(Bluetooth Low Energy、ZigBee、Thread)に対応。さらに今後、ファームウェアのアップデートにより、スマートホーム規格「matter」コントローラー機能を提供予定。 バックホール(WAN側)は、4G LTE(LTE CAT5)のほか、PoE(IEEE 802.3at)対応のギガビット有線ポート×1を備える。また、Wi-Fi HaLowをバックホール側で利用することも可能だ。 なお、EAP112は、Wi-Fi HaLowと4G LTEの対応の有無により、3つのモデルが用意されている。両対応のEAP112のほか、Wi-Fi HaLowに対応し、4G LTEには非対応の「EAP112-H」、4G LTEに対応し、Wi-Fi HaLowには非対応の「EAP112-L」があり、用途により選択できる。 EAP112の本体サイズは210×195×40mm、重量は1.14kg。電源は、PoE給電またはDC入力。
INTERNET Watch,松永 侑貴惠
【関連記事】
- 【期待のネット新技術】「到達距離1km」はどこまで信頼できるか? Wi-Fi HaLowの実力をWBAのホワイトペーパーから読み取る Wi-Fi HaLowの現在地(1)
- 低消費電力・長距離通信が特徴のIoT機器向け「Wi-Fi HaLow」、Wi-Fi Allianceが認証プログラム発表
- 最大1km、Wi-Fi機器の通信距離を伸ばせるWi-Fi HaLow(IEEE 802.11ah)対応ブリッジ「EX-150AH」、サイレックスが発売
- 2.4GHz帯で5km伝送の長距離無線LAN、TP-Linkの屋外用ブリッジ「CPE210」国内販売へ。1万5000円
- 最大1kmの60GHz帯長距離無線と屋外対応ポータブル蓄電池で「可搬仮設型ブロードバンド」提供 ビーマップ、被災地での一時的な通信手段を確保するバックホールソリューション