ローカライズ会社解散でPCゲームがプレミア化、10万円超え中古ソフトも
海外ゲームソフトの日本語化と販売を手がけてきた「サイバーフロント」(本社・東京)のゲームソフトが高騰しています。同社の親会社である加賀電子が昨年「サイバーフロント」の解散を決定、そのため日本語版の入手が困難になり、プレミア化が進んでいるとみられます。なかには10万円を超えて取引されるゲームソフトがある一方、ゲームファンらは「英語版のダウンロード販売なら、安価に手に入れられるのに......」と首をかしげています。
価格が高騰しているのは、スウェーデンで開発された第二次世界大戦をテーマとする歴史シミュレーションゲームの「ハーツオブアイアン」シリーズや文明シミュレーションゲームの「シヴィライゼーション」シリーズなどです。アマゾンでは新品の「ハーツ オブ アイアンIII デラックス【完全日本語版】」が、メーカー希望小売価格1万3800円の10倍以上となる17万9450円、中古品は11万9000円で取引されています(5月12日現在)。 価格が高騰しているのはネットだけではありません。東京・秋葉原の中古PCゲームショップ店員は「商品にもよるが、リアル店舗ではネットほど極端な値上がりはしていない」と高騰まではしていないとするものの、「サイバーフロントの中古ソフトが早く店頭から消えている印象はある。転売目的なのかプレー目的なのかはこちらではわからない」と話しています。 「ハーツオブアイアン」シリーズは、プレーの自由度や中毒性の高さから、日本でも多くのコアなファンが存在しています。日本語版の価格は高騰していますが、英語版のダウンロード販売は継続されており、日本円で数千円程度で購入することが可能で、非公式ながらパッチにより日本語化することができます。 それでもなぜ日本語版がプレミア化しているのかは不明ですが、東京都内のIT企業に務める30代のゲームファンは「英語版のダウンロード販売には寂しさや抵抗を感じる人がいるのかもしれない。高くても実物のソフトを保有したいと思う人もいるのでは」と話していました。