台湾BLドラマ『奇蹟』のウェイン・ソン(宋偉恩)&ホアン・ジュンジー(黃雋智)、アン・ジュンポン(安俊朋)にインタビュー!【Kiseki Vol.3】
新世代の若手俳優が結集した台湾発のBLドラマ『奇蹟』が日本でも大きな話題になっている。昨年末、キャスト13人で来日を果たした際、『GQ JAPAN』は全員へのインタビューを敢行! その第3弾は、台湾の人気BLシリーズ「HIStory」に出演し、『奇蹟』でも印象的な演技を見せるウェイン・ソンとホアン・ジュンジー、そしてアン・ジュンポンの3人だ。 【写真つきの記事を読む】3人のカッコいい写真をもっと見る!(全10枚)
『奇蹟』には、さまざまな台湾BLドラマ作品の人気CP(カップリング)たちが多数出演しているのも大きな魅力のひとつ。そのなかでも、『奇蹟』の主人公たちに大きく関わるキャラクターとして登場するのが、『HIStory3 あの日~那一天』の主演CP、ウェイン・ソン(宋偉恩)&ホアン・ジュンジー(黃雋智)、そして『HIStory4 隣のきみに恋して』のアン・ジュンポン(安俊朋)の3人だ。 主人公であるファン・ジョールイのヤクザ組織に敵対する組織のリーダー的存在で、キレキレな姿を見せるジャン・トンを演じるのはウェイン・ソン。同じ組織のメンバーとしてジャン・トンと行動をともにするアージュンをホワン・ジュンジーが演じる。組織同士の抗争をきっかけに、主人公たちの運命が変わっていく。一方、アン・ジュンポンは、ジョールイの異母兄弟であり、ファン家の継承者となるルイチェン役として、仕事のデキる男を好演。 自身のBL出演作とは全く違うキャラクターで私たちを魅了する3人に、『GQ JAPAN』が直撃した。 ──ウェイン・ソンさんは、主人公たちと敵対するヤクザ組織のジャン・トン役をどう演じようと思いましたか? ウェイン:実はジャン・トンの一部は真実の僕の姿です。普段はあまり人には見せない僕の一面がジャン・トンのキャラクターと融合しています。人は誰しも暗い一面を持っていると思いますが、ただそれを見せるかどうかという違いなだけで、一生人に見せない人もいますよね。僕はひとりの俳優として、自分自身のこの暗い一面を、演技という合理的かつ合法的に人に見せることができるのを嬉しく思っています。 ──アクション演技も迫力がありました。実際に演じて難しかったところは? また、その姿をご自身で見てどう思いましたか? ウェイン:僕が5年前(2018年)に出演し、金鐘奨(台湾のテレビ・ラジオ賞)のテレビドラマ部門新人賞にノミネートされた『反逆の季節』(原題:翻牆的記憶)でも学生のワル役を演じました。 最初にちょっと心配になったのは、その時の役と今回のジャン・トンが同じように見えてしまったらどうしよう、ということでした。当時はもっと若くて下っ端の役でしたが、今回のジャン・トン役には深い部分があり、心理レベル的にも違います。だから、役作りでは5年前と違って見えるようにする、ということに一番こだわりました。 あと難しかったところは、パワーをすごく出すか、抑えるか、という力の加減の調整でした。映像を自分で見てみて、実はそこまで満足できませんでした。というのは、前とは違ってもう少し力を抑えたかった。僕はあふれるパワーを抑えることを意識していたのですが、映像を見たあと、ああもうちょっと抑えながら、もっと迫力が出せたら良かったのに、と思ったんです。 ──ジュンジーさんは、今回のウェインさんの姿を見てどう思いましたか? また、これまで優等生役のイメージが強いジュンジーさんですが、ヤクザになってみた気分はいかがでしたか? ジュンジー:今回のウェインの姿は想像できました(笑)。僕の想像どおりです。『奇蹟』を見たあとに、ウェインの5年前の作品ももちろん見たんですよ。当時は若手の悪い学生役だけど、今回は完全に違うレベルの悪役の役作りをしているから、今、彼が言ったような心配や満足できないなんてことは全然ありません。見る側にとってはまったくの別次元、すごく区別がつきました。 僕自身は、アージュンを演じる前に、なぜ彼はヤクザ組織に入ったのか、きっと家庭にこんな事情があったのだろう、とアージュンの背景を掘り下げてから撮影に入りました。今まで演じてきたキャラクターの役作りとプロセスは同じなんです。 ──おふたりは今回で4度目の共演になります。こうなると、次もあるのでは?と期待してしまいますが、今度はふたりでどんな姿で視聴者を驚かせてみたいですか? ウェイン:ドラマでは4度目だけど、台湾では舞台でも共演しているので実は6度目なんですよ。今までは恋人同士が多かったけれど、もしまた次があるなら、みんなをびっくりさせるためには仇同士や人質と誘拐犯など、ふたりが敵対するような関係性はどうでしょう? みんなにとってはサプライズになるんじゃないかな(笑)。 ジュンジー:そうだね。じゃあそのときは、誘拐する人が僕で、ウェインは人質ね(笑)。そのほうが面白いですよね。 ──アン・ジュンポンさんは公式初来日ですね。『HIStory4 隣のきみに恋して』のときは、日本や海外からのファンの反応をどんな形で見て、どのように感じていましたか? ジュンポン:当時はコロナ禍で、プロモーション活動が何もできませんでした。でも海外のファンからいろんな反応があったりコメントをいただいたりして、僕もびっくりしていました。とても嬉しかったです。 『HIStory4』のイベントなどは台湾でもできませんでしたが、本当に海外に行きたくて、なかでも大好きな日本にぜひ行きたいという気持ちがありました。なので、僕は「日本に行く可能性がありますか?」とスタッフにずっと聞いていたんですよ。 ──今回、東京で行われた『奇蹟』のファンミーティングでは、ジュンポンさんは終始落ち着いた雰囲気に見えましたが、普段はどんな人ですか? ウェイン:彼は温かい人ですよ。 ジュンジー:そう、礼儀正しくて温かい人。 ウェイン:さっき僕が話した、暗い一面を人には一生見せない人の代表格です!(笑) ジュンポン:そうかもしれないね(笑)。そして、僕は落ち着いていると思います。今までは人が思う僕のイメージもそうだったのですが、『奇蹟』のルイチェン役はちょっと腹黒い部分があるからなのか、今回初めて僕を見てくれたファンからは、「なぜそんなに目線が怖いの?」というコメントもありました。役のイメージは重なるのですね。 ──ジュンポンさんはルイチェンを抑えめに演じていて、クールで大人な姿を見せていましたが、演じてみていかがでしたか? ジュンポン:ルイチェンはお金持ちなうえにすごい実力もあり、僕が日常生活では味わえないことができたのでとても面白かったです。この役を演じられて良かったなと思いました。ルイチェンの役作りでイメージしていたのは、『黒子のバスケ』のキャラクター、赤司征十郎でした。 ──ジュンポンさんは、『HIStory4』では兄役、『奇蹟』では弟役です。ご自身がしっくりくるのは兄役と弟役、どちらですか? ジュンポン:両方好きです。もし僕が弟役なら、お兄さんは落ち着きもありつつ、ちょっと軽さもあるような人がいいですね。僕とすごく仲のいい、ウー・ニエンシュエン(吳念軒)という俳優がいるんですけど、彼がお兄さんなら理想的だなと思います。実はドラマでは描かれていませんが、原作小説では僕はジョールイの義弟ではなく、叔父ということが明かされているんですよ。 ウェイン:でも、ジュンポンは落ち着いているからお兄さん役がいいね! ──ファンの方々は、また皆さんに作品などを通じて会えるのを楽しみにしていると思いますので、今後の活動予定を教えてください。 ウェイン:ドラマの出演予定があり、もうすぐ撮影に入ります。かなりびっくりする役だと思うので楽しみにしてくださいね。もう2024年の年末までスケジュールがびっしりです。それに、僕はまだ大学院生(国立台北藝術大学)でもあり、先日は演劇の勉強のために一人芝居の舞台もやりました。あと、今受講中のマスタークラスも全部終われるようがんばります。 ジュンジー:今、短編映画の撮影が終わったところで、これから台湾で公開される予定があります。 ジュンポン:僕は今ドラマの撮影中で、実はそれを抜け出して日本に来ているので、帰ったら撮影に戻ります。今回は5日しか滞在できませんでしたが、また日本に来たいです! ──ありがとうございました! ウェイン・ソン(宋偉恩) 1994年12月20日生まれ。身長187cm。2015年、ドラマ『料理高校生』でデビュー。18年のドラマ『翻牆的記憶』で第53回金鐘獎ドラマ部門の新人俳優賞にノミネートされる。『HIStory3 あの日~那一天』で人気を獲得。以降、ドラマ、舞台、映画と活躍を続けている。 ホアン・ジュンジー(黃雋智) 1996年4月22日生まれ。身長176cm。モデル、俳優。『HIStory3 あの日 ~那一天』でドラマデビューし、注目を浴びる。以降、ドラマ、広告、短編映画、舞台などで活躍中。 アン・ジュンポン(安俊朋) 1994年8月3日生まれ。身長183cm。2012年、ドラマ『向前走向愛走』でデビュー。以降、ドラマを中心に活躍。『HIStory4 隣のきみに恋して』での評価がとても高く、今後の活躍が期待される若手の一人。 『奇蹟』 Rakuten TV、ビデオマーケットにて全話好評配信中! ©2023 “KISEKI: DEAR TO ME” Partners All Rights Reserved. 公式ホームページ:https://www.cinemart.co.jp/dc/t/kiseki.html Blu-ray BOX & DVD-BOX<初回限定版> 2月9日(水)発売 BD:16,500円 DVD:13,200円(税込) 発売元:エスピーオー/Rakuten TV/ビデオマーケット 販売元:エスピーオー 取材と文・小俣悦子、写真・ホシダテッペイ、編集・横山芙美(GQ)
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