「めしっ、めしー!」「しる、しる、しるっ!」限界まで食べ続ける奇習 青森・佐井村「おこもり」
「めしっ、めしー!」「しる、しる、しるっ!」。青森県佐井村牛滝地区で15日夜、江戸時代から百数十年以上続くとされる奇習「おこもり」が行われた。牛滝神明宮に集まった男衆約25人が威勢の良い声を響かせ、ご飯、すまし汁、ゼンマイのからしあえ、たくあんを限界まで食べ続け、一年の豊漁や無病息災を願った。 神明宮で車座になった男衆は順番にお神酒としとぎを口にして身を清めた。同日午後9時過ぎ、長老や子どもが食べる「一番膳」が始まった。地区の女性たちが朝から仕込んだ4品がお膳に用意され、当番が合図を出した瞬間、男衆は競うようにご飯や汁をかき込んでいった。 45歳以下の若者による「二番膳」で、空になったわんを箸でたたき、お代わりを催促する男衆。満腹になるにつれ徐々に箸が止まると、今度は給仕役がご飯を盛ってせき立てる激しい攻防を繰り広げた。容赦なくご飯や汁を追加される男衆の姿に、80人ほどが暮らす地区の神明宮には深夜まで笑い声が響いた。