埼玉にチャンス到来?新しいお札発行まであと少し キャッシュレス化で流通減る見込みも券売機やレジ対応急ぐ 新1万円札の渋沢栄一は埼玉出身、地域経済の盛り上がり期待も
■埼玉はPRの好機 第一生命経済研究所主席エコノミストの永浜利広氏は今回の新紙幣発行の目的を「偽造防止に加え、主要各国から後れを取るキャッシュレス化の促進」と分析。さらに「自宅に眠るタンス預金のあぶり出しがあるのでは」と推察する。日銀の資金循環統計によると、2022年12月末時点の家計部門が保有する現金は前年比2・4%増の109兆円と過去最高。日本のキャッシュレス決済比率は20年時点で約32・5%にとどまり、最も普及している韓国の93・6%、中国の83・0%と比べて圧倒的に低い(経産省調べ)。 とはいえ、金融機関の統廃合やキャッシュレス化の進展で20年前の発行時と比べて紙幣の流通量が減少しており、永浜氏は「ATMや券売機などの更新特需は限定的」とした。県内は1万円札の肖像渋沢栄一の出身地深谷市などゆかりの地が多いため、「埼玉の名を全国にPRする絶好の機会。地域経済が少しでも盛り上がってくれたら」とエールを送った。