芳根京子、朝ドラヒロインの影響力実感「今だったら、怖くてできないかも」
朝ドラは「芳根京子自身を成長させてくれた」
そんな芳根だが、今年4月まで放送されていた朝ドラ「べっぴんさん」でヒロインを演じたことでも多くのことを得たという。なかでも一番感じたのが「芳根京子自身を成長させてくれた」ことだという。 「キャストのなかでは一番長い時間現場にいたのですが、私以上にスタッフさんは早く来て、私以上に遅くまで現場にいるんです。そういう姿を見たとき『どうしたら皆さんが楽しく現場で過ごせるのだろう』とか、他の人が調子悪そうだったら『大丈夫?』と声を掛けたくなったりしたんです。こうした気持ちは作品への愛情にもつながるし、仕事と向き合っていくうえで、大きなことでした」 朝ドラの放送が終了してから数か月が経過したが「今一歩、自分が朝ドラをやっていたという実感がないんです」と語った芳根。現在放送中の「ひよっこ」を見ていても「数カ月前まで私も出ていたんだな」と、やや他人事のように感じているというが、反響の大きさは実感しているようだ。
今だったら怖くて朝ドラヒロインはできなかったかも……
「今でも街で(役柄だった)『すみれちゃん』と声を掛けてくださる方も多いですし、『心が叫びたがってるんだ。』は秩父でロケをしたのですが、撮影を見に来てくれた人が『なんですみれちゃんが制服着ているの?』って言ったり……。それを聞いて中島くんがボソッと『朝ドラヒロイン強えー』って言っていたのがすごく印象に残っているんです」 さらに「実はいま当時を振り返るとゾッとすることがあるんです」と苦笑いを浮かべると「撮影中は必死だったので、断崖絶壁にいることに気づいていなかったのですが、少し冷静になると、とんでもなく恐ろしい場所だったんだなって思うんです。経験が浅いぶん、怖いもの知らずだったので乗り越えられたけれど、今だったら怖くて立てなかったかもしれません」と正直な胸の内を明かした。 それでもしっかり長丁場を演じ切り、新たな一歩を踏み出した。 「朝ドラに出演し『期待しています』とか『応援しています』という背中を押していただく言葉をたくさんいただけるようになり、やはり影響力の大きな作品なんだなって実感したんです。私は負けず嫌いなので、そういう声に対して、今の自分にできることを120%の力でやって、しっかり期待に応えたいです」と強い眼差しで語っていた。 (取材・文・写真:磯部正和) 映画『心が叫びたがってるんだ。』は7月22日より全国公開 ■芳根京子(よしねきょうこ) 1997年2月28日生まれ。東京都出身。2013年にドラマ『ラスト・シンデレラ』で女優デビューすると、2014年には連続テレビ小説「花子とアン」で仲間由紀恵演じる蓮子の娘・宮本富士子を演じる。2016年には、同じく連続テレビ小説「べっぴんさん」でヒロイン坂東すみれを演じ、多くの注目を集めた。本作のほか待機作として8月26日公開の『わさび』がある。