『八犬伝』役所広司主演、【虚】と【実】が織りなすエンターテインメント超大作
Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1212回】 シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。 【写真14枚】『八犬伝』役所広司主演、【虚】と【実】が織りなすエンターテインメント超大作 他 今回は、10月25日公開の『八犬伝』と『劇場版ACMA:GAME アクマゲーム 最後の鍵』をご紹介します。
『八犬伝』滝沢馬琴がスペクタクルな冒険活劇に込めた想いとは……
江戸時代後期に活躍した戯作者・滝沢馬琴が手がけた「南総里見八犬伝」。1842年に完結してから200年以上経った今でも、アニメ、映画、舞台、歌舞伎などのエンターテインメントに多大な影響を与えています。 そんな“日本のファンタジー小説の原点”と称えられる「南総里見八犬伝」は、いかにして生まれたのか。その誕生秘話に迫った山田風太郎の傑作小説「八犬伝 上・下」が、待望の実写映画となりました。 八人の剣士たちが冒険を繰り広げる【虚】のパートと、創作活動に心身を捧げた滝沢馬琴の人生に迫る【実】のパート。2つの物語が、ひとつの作品の中でシンクロしていく。前代未聞のエンターテインメント超大作が誕生しました。
『八犬伝』のあらすじ
時は、江戸時代。人気作家・滝沢馬琴は友人の絵師・葛飾北斎に、いま構想中の物語について話し始める。 タイトルは「八犬伝」。 里見家にかけられた呪いを解くため、八つの珠を持つ八人の剣士が集結して戦いに挑むという壮大なストーリーだ。 馬琴の語りに魅了され、度々、滝沢邸を訪れては馬琴のイマジネーションを掻き立てるような下絵を描く北斎。それに呼応するように、変幻自在に物語を生み出す馬琴。 やがて「八犬伝」は異例の長期連載となり、馬琴のライフワークに。しかし、28年の時を経てクライマックスに差し掛かった頃、馬琴の視力は失われつつあった……。
『八犬伝』のみどころ
滝沢馬琴に扮したのは、日本を代表する名優・役所広司創作に身を捧げる者の情熱や葛藤を心情豊かに表現。その重厚かつエモーショナルな演技は必見です。 そして葛飾北斎役は、内野聖陽。馬琴の良き理解者である北斎を、芸術家ならではの洒落っ気とユーモアを混じえながら人間味あふれる北斎像を体現しています。 彼らを取り巻く登場人物を演じるのは、磯村勇斗、黒木華、寺島しのぶといった実力派俳優たち。また立川談春、中村獅童、尾上右近といった落語・歌舞伎界の顔とも呼ばれるメンバーが、物語の重要な鍵を握るキーパーソンとして登場。これまた一興です。 さらに【虚】のパートには、土屋太鳳、栗山千明をはじめ、渡邊圭祐、鈴木 仁、板垣李光人、水上恒司、松岡広大、佳久創、藤岡真威人、上杉柊平、河合優実など、旬の注目俳優たちが集結。彼らの個性あふれる演技にも注目ですよ。