学生団体SEALDsの合言葉「落選させよう」は公選法に違反しないのか?
ネット上の「落選運動」の効果は?
果たして、この落選運動は、実効性を伴う活動として広まっていくのだろうか。 実はつい最近、自民公明の推薦候補を巡り、「落選運動」とみられるネット活動が展開された事例がある。その候補は選挙で敗れた。今年1月に行われた佐賀県知事選だ。 同県の元武雄市長である樋渡啓祐さんは、TSUTAYAとコラボした市図書館リニューアルを行うなど、8年超にわたる市政運営で全国的な注目を集め、知名度は抜群だった。一方で、その独創的な手法や言動に反発する人も少なくなく、ネット上でも樋渡さんに反発するサイトが立ち上がった。 樋渡さんは官邸と自民党本部の主導で自公推薦を受けて出馬。ところが、地元の一部保守勢力がこれに反発し、投票日から1か月を切った段階で、無名だった元総務省過疎対策室長・山口祥義さんを擁立。フタを開けると、樋渡さんは4万票近い差をつけられ、山口さんに敗れた。ただもちろん、落選運動が選挙結果にどれほど影響を与えたかを判断するのは難しい。 来年の参院選でも、現職以外の候補がまだ決まっていない選挙区も少なくない。しかし一方で、ネット上では安保法案に賛成した議員のリストが出回っている。参院選の結果はどうなるだろうか。 (記者・メディアコンサルタント/坂本宗之祐)