雑草放置などに地元迷惑 太陽光発電 三重・大台町が設置ガイドラインを見直し
住民らから意見募る
三重県多気郡大台町はきょう10日から、「町太陽光発電施設の設置に関するガイドラインの見直し(案)」のパブリックコメント(意見募集)を7月10日まで実施する。設置の際に近隣に説明がなかったり雑草が伸び放題だったりと施設周辺の住民からの苦情や相談があり、地域とのトラブル解消や適切な維持管理を求めるために、ガイドライン強化を図る。 太陽光発電に関しては、経済産業省が再生可能エネルギーの導入を進めるために2012(平成24)年に固定価格買い取り制度(FIT)を開始。22(令和4)年からは売電価格にプレミアム補助金が上乗せされるFIP制度も始まった。この二つの制度に関しては経産省・県・町へ、設置の届け出が必要とされている。 一方、FITに頼らず自由な売買や自家消費に活用される非FIT制度は、関係部署への届け出が不要とされている。 しかし近年、町の住民から▶設置工事が始まっているが説明がない▶パネルで周りを囲まれそうで困る▶草刈りなどの管理がない▶設置業者に連絡を取りたいが連絡先の表記がない▶反射光で家が熱されて困る──などの相談や苦情が寄せられていた。 町は今後も非FITの制度を活用した太陽光発電施設が増加することが予想されることから、今回、独自のガイドライン改訂に踏み切った。改訂で対象とするのは非FITで出力数10キロワット以上のもので、届け出を必要と定めることで、設備整備や住民への説明などを義務付ける。 町の担当者は「住民から相談を受けて事業者に連絡をするが、内々で売却されて名義人が変更になっており、連絡が取れない場合もあった」と現状を語る。また届け出が不要なため、町が太陽光発電の件数などを把握できないことも課題になっていた。 5日に行われた町議会全員協議会でも、町側が議員に報告。議員の古家大輔氏からは「草刈りの管理など改善できるように具体的内容を盛り込んでは」という指摘もあり、担当者は「草刈りなど設備管理方法についても明記していきたい」との方針を語った。 今後は、寄せられたパブリックコメントを参考にガイドライン策定委員会などで審議を重ね、8月中旬に改訂ガイドラインを公表する予定。 ただ罰則などはないため、大森正信町長は先月30日の一見勝之知事との円卓対話で管理についての条例化を要望している。