【高校陸上】男子400m&400mH・菊田響生(法政二高)秋のターゲットはヨンパーの高校記録更新
注目の高校アスリートをフォーカスして紹介するコーナー!前回に引き続き、福岡インターハイの2冠アスリートの登場です。インターハイでは21年ぶりとなる男子400mと400mハードルを制した菊田響生選手(法政二高3神奈川)。8月下旬はU20世界選手権(ペルー・リマ)に出場し、国際舞台で大きな経験を積みました。高校ラストシーズンは終盤に差し掛かりますが、さらなる進化を目指しています。 菊田選手のプロフィールをチェック!
悔しさと楽しさを感じたU20世界選手権
――8月下旬のU20世界選手権に出場し、400mハードルでは準決勝に進みました。 菊田 400mハードルは、インターバルを13歩で行く練習をずっとやってきましたが、前日練習で寒さもあったからか、1回も届かなかったので、これはまずいなと予選(7組1着/51秒24)は15歩で行きました。一気にレベルが上がる準決勝(1組3着/51秒04)は、イチかバチか13歩にしようとも思いましたが、結局すべて15歩で行くことにしました。ただ、ウォーミングアップ開始の約2時間前に走った4×400mリレー予選で酸欠気味になり、ヨンパーの準決勝は不安を抱えたまま迎えました。実力をしっかり発揮していれば決勝には行けたし、自己ベストを出せばメダルにも届いたんじゃないかと思うと、悔しい気持ちしか残りませんでした。 ――それでも4×400mリレー(予選も決勝もアンカー)は5位入賞を果たしました。 菊田 予選は、調子が良いと言っていた前の3人がつないで来たのを1番でフィニッシュすることだけを考えて臨みました。そこまで緊張せず、自分の中でも良い走りができたので、理想に近い走りができました。実は大会期間中、体調が優れない状態がずっと続いていましたが、決勝ではそんなことは言っていられない、1本をがんばろうという感じでした。実際にラップタイム(46秒03)も、少しですが予選(46秒05)より速くて、あのコンディションの中でしっかりまとめられたと思います。でも、金メダルの米国は3人が45秒台のラップタイムで回って来ましたし、メダルを取った国のアンカーはみんな45秒台。世界の迫力を感じて悔しさもありました。でも、約46秒間が今までにないくらい楽しかったです。 ――初めて「JAPAN」のユニフォームを着ての試合はどうでしたか。 菊田 個人種目やマイルリレーを走らせていただいて、いずれ世界大会でメダルを取りたいので、その第1歩として今回しっかり結果を残すのが目標です。 ――U20世界選手権前の福岡インターハイでは個人種目で2冠達成しました。まず400mはいかがでしたか。 菊田 気温が高かったので、初日の400mは予選と準決勝は楽に行って、決勝は大会新記録で優勝したいと考えていました。ただ、準決勝は近畿大会で好タイムだった兵庫の2選手がいました。3着になるとプラス通過の対象で、決勝では内側だったりして、やや不利なレーンになってしまいます。それが嫌だったのでちょっと力を使ってしまいました。決勝は全力を出すだけだと思っていたので、勝てたことはうれしいですが、記録の面では悔しさも残りました。 ――400mハードルは大会タイ記録でした。 菊田 400mを勝てたことで気持ちに余裕も生まれ、400mハードルは自信がありました。でも、準決勝は8台目で緩めすぎて9台目の脚が合わず、危ない走りになって冷や冷やしました。決勝は1番外側のレーンにいる橋本悠君(東農大二3群馬)が前半で13歩、14歩を使ってくることは知っていたので、前半に離されることは想定内でした。250mまでは焦らず自分の走りができました。ただ、終盤は思ったほど橋本君との差が詰まらず、焦って9台目のハードルを倒してしまいました。最後は意地で挽回した感じです。大会新記録を出せたら100点でしたが、大会タイなので90点ぐらいですね。 ――インターハイには1年時から出場(1、2年時ともに個人種目では400m)しています。どんな部分が成長しましたか。 菊田 1年生の時は初めての全国で、本当に何もわからない状態でした。とにかく1本1本全力で行くだけで、その中で準決勝に進んだので、2本走ったのは大きな収穫でした。2年生の昨年は調子が良く、準決勝が終わって優勝できるかもしれないと思ったほどでした。結果的に2位でしたが、予選や準決勝の走り方とか1本終わったら何をするかなど、だいぶ試合慣れしました。1年生や2年生の経験があったからこそ、今年の結果があったと思っています。 ――Yogiboアスレチックスチャレンジカップ(9月28日、29日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)に400mハードルでエントリーされています。 菊田 6月のU20日本選手権で自己ベストを出せたスタジアムですし。シニアの選手もたくさんいて、強い選手ばかりです。オリンピックに出るような選手と走る機会も中々ないので、緊張よりも楽しみな気持ちが大きいです。その中で、大学生や実業団選手に食らいついて、自己ベストを出したいと思っています。そして、400mハードルにエントリーしたのも、高校記録(49秒09)更新を狙いたいからです。いずれ世界大会でメダルを取りたいので、その第1歩として今回しっかり結果を残すのが目標です。 ――10月以降の試合予定を教えてください。 菊田 10月の国スポ(佐賀)には300mと300mハードルに出場予定です。高校生としての大きい大会はそれが最後なので、どちらも優勝を狙って、今シーズン負けなしで終わりたいと思っています。