「前向きなサンキューイヤーに」 渡辺美里デビュー39周年 「ほろ苦さも人生」詞に託して
渡辺美里がデビュー39周年を迎えた。「今年はサンキューイヤー。支えてくれたみなさんに感謝を伝えたい。何かと閉塞(へいそく)感が漂う時代だけど、前向きに軽やかになれるような歌を届ける」。全国ツアーを前に、意気込みを語った。 デビュー39周年を迎えた渡辺美里 1985年に18歳でデビューし、86年のシングル「My Revolution」などヒットを連発。2020年のベストアルバム「harvest」はオリコン週間ランキングで3位を記録し、昭和・平成・令和と3時代でのトップ3入りを果たす。日本を代表する女性ボーカリストだ。 1年9カ月ぶりにリリースしたシングル「BITTER☆SWEET ROCK'N'ROLL」は、こんな歌詞で始まる。 「西へ東へ 時代の風吹く道を走ってきたよ Wo つまずいたり 悩んだりしながら」 活動できなかったコロナ禍、その間に会えなくなった仲間たちもいる。長い人生、楽しいだけじゃない。ほろ苦いこともあるけど、それも含めて人生だという思いを詞に託した。 一番に感謝を伝えたいのは、育ててくれた母。「元気で健康にいられるのは母のおかげ」。デビューから苦楽を共にしてきたマネジャーにも「こうだと思ったらテコでも動かない私に、よく付き合ってくれた」と感謝する。 音楽活動を続けていて「よかった」と感じるのは、レコーディングでいい楽曲ができた時、ライブでファンが心の底から拍手をくれた時、そして長いツアーの後の乾杯。落ち込んでも「この心境をどうやって歌にしようか」と考えるという。 これからやってみたいのは「物語を声で伝えるナレーションの仕事」。全国47都道府県を回ってきたが、もっとその土地の歴史を知って、伝えたい。そのために司馬遼太郎の紀行文集「街道をゆく」を読破するのが当面の目標だ。 6月22日の東京を皮切りにスタートする全国ツアー。最近はカバー曲にも数多く取り組んで高い評価を得てきたが、今回は「イントロを聴いて、あの曲だとわかるような私のオリジナル曲をたっぷり」。太陽のようにパワフルな歌声で、エネルギー充電できそうだ。 (加茂川雅仁) ■■■渡辺美里 BITTER☆SWEET ROCK'N'ROLL TOUR シーズン1(九州関係分) 8月3日午後5時45分から、福岡市民会館。4日午後5時45分から、大分県日田市民文化会館。いずれも全席指定で1万円。問い合わせはLAND=092(710)6167。詳細はオフィシャルサイトで確認を。