公序良俗に反するのはダメ!──『VRカノジョ』の精神的後継作『VRな彼女』が向き合っている、ド直球タイトルゆえの四苦八苦とは? ILLUSIONの意思を受け継ぎ、VR×美少女の可能性に賭ける男たちの夢と苦悩を聞いてきた
『VRカノジョ』というタイトルから想像されるものとは──? それは、文字通り「VR空間内で女の子とコミュニケーションを取るゲーム」という内容だろう。 【この記事に関連するほかの画像を見る】 ド直球のネーミングなので、思い起こすのは簡単……かもしれないが、実はそれ自体がけっこうスゴいことである。なぜなら、タイトル名だけでゲームの中身が浮かんでしまうのだから。そのようなことができるゲームと言えば、コンシューマーゲーム機で展開され、大ヒットしたことで世間的な知名度を得たものがほとんどだ。 だが、『VRカノジョ』はPC限定かつ、まだ日本国内ではメジャーとは言い切れない「VR専用」のゲームでもある。そんな背景がありながら、聞いた瞬間に中身が想像できるというのは本当にすごいことで、いかにゲームとして強いタイトル名であるかを実感させられる。 しかし、内容が内容だけに、実際に“売る”ためにはさまざまな四苦八苦があったと、当時、ILLUSION(イリュージョン)で『VRカノジョ』の開発を主導した大鶴尚之氏は語る。 そして、その後継作品として制作中の『VRな彼女』もまた、似たような苦労の数々に見舞われているようだ。例えば、R18のアダルトゲームと思いこまれて他社からの連絡が途絶えてしまったり、「公序良俗に反するのはダメです!」と言われてしまったり……。直球でインパクトあるネーミングだからこそ、こうした反応も生まれてしまうのかもしれない。 それでも『VRな彼女』のスタッフたちは、ILLUSIONから継承せし「やりたいことをやる!」のイリュージョニズムを掲げ、タイトル名に相応しいゲーム体験を追求するため隅々までこだわりながら、日夜制作に取り組んでいる。その背景には「『VRカノジョ』ファンに“恩返し”したい」という想いもあるという。 とは言え、ゲームの詳細からヒロインの容姿まで、未だ秘密のヴェールに包まれたままの『VRな彼女』。前身に当たる『VRカノジョ』とは、どういったところが違うのか?何をコンセプトにしているのか?そして、なぜ今回もVRなのか? 今回は『VRな彼女』の制作真っただ中にあるILLUMINATION(イルミネーション)株式会社で代表取締役社長を務める山口直樹氏、そしてILLUMINATION株式会社の副社長で『VRカノジョ』の元プロデューサー・大鶴尚之氏に、気になるそのゲームの内容から、VRゲームに対する思いについて迫った。 取材・編集/久田晴 ■ILLUSIONの解散は「青天の霹靂」だった ──本日はよろしくお願いいたします。まず、おふたりの自己紹介からお聞かせいただけますでしょうか。 山口直樹氏(以下、山口氏): ILLUMINATION株式会社の山口直樹です。VTuberの黎明期から「みゅみゅ」というハンドルネームで活動していまして、当時は株式会社バーチャルキャストのCVO(チーフバーチャルオフィサー)をやっていました。 昨年、バーチャルキャストから退職しまして、新たにILLUMINATION株式会社を立ち上げ、現在は代表取締役社長をやっています。 大鶴尚之(以下、大鶴氏): ILLUMINATION株式会社の副社長をしている大鶴尚之です。「ゆなゆな」というハンドルネームで活動しています。 前職は『VRカノジョ』を作ったILLUSIONというブランドのゲーム会社で働いていました。現在はILLUMINATIONで、今回の『VRな彼女』のプロデューサーをさせていただいています。 ──ILLUSIONさんと言いますと、2023年8月に開発・販売の終了を発表され、ファンや業界関係者も含めて騒然となった記憶があります。おふたりは当時、発表をご覧になってどのように感じられたのでしょうか。 山口氏: 率直に「そんなバカな!?」ってなりましたね。会社としても、儲かっていないみたいな話は聞かなかったんですよ。作品を出せばバンバン売れてて、解散に繋がる要素自体が無かったですし。それがまさかの解散ですから、本当に当時は「そんなバカな!?」でした。 大鶴氏: みんな青天の霹靂だったと思います。当時、中に居た開発者も含めて、あのような出来事になるとは思いもしませんでしたから。 ──ショックを受けていたファンの方も、多くいらっしゃる様子でした。 大鶴氏: 元々、美少女ゲーム業界も縮小しつつある時期ではあったんですけど、当時、3Dを使った美少女ゲームを作っている会社というのがILLUSIONともう一社ぐらいしかなかったんですよね。その片方が倒れてしまうというのは、結構な衝撃だったんではないかと思います。よくも悪くも個性的なゲームメーカーでしたから。 あと、ファンの声も国内だけじゃなく、海外でもアジア圏のファンからも「ILLUSIONが終わった……」みたいな声が多くあがっていましたね。 ──そして今回、ILLUSIONさんの代表作であった『VRカノジョ』の後を継ぐ『VRな彼女』を、新会社として誕生したILLUMINATIONさんが発表された、という流れですよね。本作も「VR空間で女の子と出会う」というメインのところは代わっていないかと思うのですが、あらためてご紹介いただけますでしょうか。 大鶴氏: はい、仰る通り『VRな彼女』は、プレイヤーとヒロインの女の子とのふたりっきりのバーチャル空間内での体験を楽しむというのがメインのテーマとなります。 女の子の名前は『VRカノジョ』と同じ「夕陽さくら」となっていて、会話などのコミュニケーションが取れます。ストーリーも存在していまして、「バーチャル空間内にいる女の子とどう過ごしていくか」というのが、今回における一番のテーマとなっています。 ──お聞きしていると『VRカノジョ』とほぼ共通の内容という印象ですが、具体的にはどういった部分が変化したり、進化していたりするのでしょうか。 大鶴氏: プレイヤーがゲームの中に入り込んだような、リアルな感覚を味わえるというのは『VRカノジョ』と一緒です。ただ、よりリアルさを再現し、没入感を高めているというのが進化した部分となります。視覚的なリアリティに限らず、環境音にこだわったり、コントローラによる操作の手触りをパワーアップさせるといった感じですね。 また、今作はカスタム要素を充実させようと考えていまして、『VRカノジョ』の時とは違ったバリエーションの衣装が出てきます。衣装のトータル数は『VRカノジョ』と大きな差はないのですが、方向性を変えているという具合になっています。 ──あと今回、「HOSシステム」なるものが打ち出されていますが、これはどういったものなんでしょう? 大鶴氏: 『VRカノジョ』はある程度、ユーザーさんに自由度を設けた作りになっていまして、ストーリーと関係のないところで思うがままに行動が取れるというのがありました。今回はそれに名称を付けまして、「本能のおもむくまま好きにして(Honnouno Omomukumama Sukinishite)」の頭文字を取って、HOSと呼んでいます(笑)。 ──なるほど(笑)。 大鶴氏: ゲーム内にはメインとなるストーリーがあるのですが、それに対してユーザーさんが取る行動はお任せします、という感じですね。ヒロインが求める行動を取ってもいいですし、意地悪をしてもいい。そのような自由度を設けています。 一応、私たち開発者側から「こうして欲しい」というゲーム性はあるのですが、『VRカノジョ』を発売した後のユーザーさんの様子を見たところ、結構、私たちが想定していなかった遊び方をされることが多かったんです。 それを見て「こんな遊び方があるんだ」って感じまして、ユーザーさんからもそれに関するフィードバックをいただくことがあったんですね。なので、今回はHOSという呼び名のシステムを設けて、ユーザーさんの「本能のおもむくまま」遊んでいただきたいと思って作っています。 ──実際に『VRカノジョ』のユーザーさんの遊び方の中で、大鶴さんが印象に残っているものはありますか? 大鶴氏: 背景にあるオブジェクトを使って、自分だけのちょっとしたストーリーを作ってしまうというのがありましたね。 ──独自に演劇を作ってしまうような? 大鶴氏: そうです。それを録画して公開し、他のユーザーさんが見ても楽しめる動画を作ってしまうというのもありました。基本的にゲーム、例えばアドベンチャーゲームだと、プレイヤーは主人公にあたるキャラクターになって、その思いを代弁するんですけど、VRの場合はユーザーさんご自身がゲームの中にそのまま登場して、なおかつ演じられるんですね。女の子に対して意図しない触り方をしたりとか、想定とは違った動きをするだけで、なんか違うストーリーに見せてくるんです。 そうして自分を直接登場させることができるから、その行動によって違ったストーリーを見せられるというのはVRならではのすごさだと思いました。「VRだと、ユーザーさんの行動によってストーリーにちょっとした違いを見せられるんだな……」と。 ──美少女ゲームでありながら、空間シミュレーターとして楽しんでいるというような印象を受けますね。 大鶴氏: そうですね。元々、VR自体が空間シミュレーターに近いものだと思います。そこに美少女ゲームが合体することにより、いろんな相乗効果が出ているという気がしますね。 ■触る以上の体験を追及するため、“匂い”の表現も試していた『VRカノジョ』 ──山口さんは以前、バーチャルキャストに所属されていたとのことで、『VRカノジョ』とは直接的な接点や関係はなかったと思われますが、ゲーム自体はプレイされたのでしょうか? 山口氏: はい、プレイしました。『VRカノジョ』の開発自体には一切関与していませんが、元々、ILLUSIONさんはアバター制作ツールの『Vカツ』など、VTuber活動絡みでお世話になるプロダクトを作られていまして、そこでほんの少しお付き合いがあったんです。 『VRカノジョ』が出た年は、私もVR絡みの仕事は色々やっていたんですが、その中でも『VRカノジョ』は異彩を放っていて、初めて体験した時の衝撃は今でも忘れられないですね。 ──そのときには、どんなところに衝撃を受けられたんですか? 山口氏: 「目の前に女の子がいる!」って(笑)。ディスプレイの前に女の子がいるのとは違って、目の前にいるというあのドキドキ感は「すごい!」と思いましたね。あの辺りで「VRは存在感が大事」ということを学ばせていただいた感じです。 大鶴氏: 私は前職で女の子のキャラクターをメインにしたゲームコンテンツを作っていましたので、仕事として美少女を見慣れてはいたんです。ただ、それは3Dであってもディスプレイ越しのキャラクターなんですね。 けど、一番最初のOculusの開発キットを用いて、VRで初めてキャラクターを見たとき、ディスプレイで見ているものとは完全に違うなと思い、雷に打たれたような感じがしました。なので、VRって女の子もそうですが、「キャラクターと出会うためのデバイス」であり、ツールなのだなと。今の『VRな彼女』もその流れで作っているという感じです。 ──なるほど。VRに衝撃を受け、“キャラクターと出会う、ふれあえるゲーム”を作っている、というのが開発の一番の理由なのですね。 大鶴氏: 一番最初の『VRカノジョ』を作ったころは、ヘッドマウントディスプレイにコントロールデバイスが存在していない時でしたので、触れ合うことができなかったんです。まずは見るだけ、という感じで。そこから技術が発展し、ハンドコントローラが出てきたことによって、触れる感覚を味わえるようになりました。 でも、逆に言うとまだ「見て触れる」ぐらいなんですね。だから、これから先はもっとVRのデバイスが発展することで、そこから先の“触る以上の体験”が出てくるといいなと思っています。 ──触る以上の体験、ですか。 大鶴氏: ええ、触る以上です。『VRカノジョ』の時、試験的に試したのが匂いを出すことですね。 ──匂いですか!? 大鶴氏: はい、例えばビーチであれば海の香りとか、キャラクター自身から漂ってくる香りとか、そういうのは試験的に試したことがありました。あとはコントローラの振動機能で、硬いものを触ったらそれが「硬いものである」と意識づけるフィードバックがあったりすると、VRの没入感を高める効果があるんですね。 ──ちょっと匂いのことがすごく気になってしまったのですが(笑)。実際、ゲームに採用した訳ではなく、あくまでも試験的にやってみた感じだったんですね。 大鶴氏: そうですね、実用性にまでは至らなかったです。結構、匂いというのは非常に扱いにくいものなんですね……。 ──そもそも、匂いを出すためのデバイスが必要になってきますよね。 大鶴氏: ええ、なので残念ながら……という感じでした。ただ、試す方向性は間違っていなかったです。やはり匂い・香りがありますと、視覚と嗅覚を両方刺激させられるんです。すると、本当にそこにキャラクターがいるという実感が得られるんですね。だから今後、そういう技術も発展していくといいなと思っていますね。 ■『VRな彼女』でも繰り返される、ゲーム内容をイメージしやすいタイトル名であるがゆえの四苦八苦 ──山口さんが『VRカノジョ』に衝撃を受けたというお話がありましたが、『VRカノジョ』を知るきっかけはなんだったんでしょうか。『Vカツ』でILLUSIONさんと絡みがあったことですか? 山口氏: いえ、一番最初の接点は2018年に開催された「VRクリエイティブアワード」です。その年における優秀なVR作品を決めるコンテストなのですが、そのノミネート作品の中に『VRカノジョ』がありまして、それを通して知った形でした。 ちなみにノミネート作品には『バーチャルキャスト』もありまして。大鶴さんには申し訳ないんですが、結果的に『バーチャルキャスト』は最優秀賞を獲りました……(笑)。 大鶴氏: 『VRカノジョ』はノミネートこそしたのですが、残念ながら賞を獲るまでには至りませんでした。オブラートに包みながら言いますと、「アダルト系はちょっと……」という色々な理由があったんです……(笑)。 ──な、なるほど。色々ご苦労があったんですね……。 大鶴氏: ありました……。元々、あのようなアワードの予備審査を通れたこと自体、すごいことなんですけど、やっぱり題材的に厳しいものがあって。某イベントも『VRカノジョ』で出展しようとしたら、「来るな!」って言われたりもしました(笑)。 ──そ、そんなことが……。 大鶴氏: 最終的には色んな方々のご協力をいただきまして、件のイベントには出展することができたんですけど、やっぱり一般の表に出すのは難しいというのが多々ありましたね。 ──念のためお聞きしておきたいのですが、『VRな彼女』はアダルトゲームではないということでしょうか……? 山口氏: その問いに対しては「前作と同等」とお答えするようにしています。……大切なことなのでもう一度言いますと、「前作と同等」です(笑)。そもそも、前作はSteamで一般販売されたんですね。なので、絶対に「アダルトとは言い切らない」と誓っているんです。 ──露出と言いますか、宣伝が難しくなってしまうんでしょうかね……? 山口氏: そうですね。名は伏せますが、あるところに「『VRカノジョ』の精神的続編を作ります!」と言ったら、「弊社は公序良俗に反することは許容していません!それを証明してください」と回答されて。それで「いやいやいや!これは一般で売るゲームで、アダルトゲームではないんです!」と必死でお答えして……。 ──そんなひと悶着が……。 大鶴氏: 作っていた側にはその実感がなかったんですけど、『VRカノジョ』というタイトルで「あ、あれなんだな」というリアクションをいただく方が結構いらっしゃるんですね。普通、ゲームの名前を出して、それがどんな内容かってよほど有名なタイトルでなければ分からないじゃないですか。 『VRカノジョ』は大手さんが出しているゲームでもなければ、Steamでは売っているものの、コンシューマーゲーム機で出しているタイトルでもありません。なので、そのようなリアクションをいただくことはないものだと思っていたんです。 けど、今回の『VRな彼女』を作って、名前を出したことでそういったリアクションをいただき、あらためて「先入観を持たれているんだな」と思いました。 ──「そういうゲームなんだな?」と思われてしまうんですね。難しい面もありますが、逆に言うと『VRカノジョ』というタイトルは、ゲームの内容をとても想像しやすい名称だなと、いま思いました。私も『VRカノジョ』が出た当時、タイトルを目にして「あ、VRで女の子とイチャイチャできるんだな」ってイメージしたことがありましたので(笑)。 大鶴氏: それはそうですね(笑)。まさにズバリその通りなタイトルを当時、付けられたなとは思いますね。 ──その『VRカノジョ』って、海外展開はどれぐらいされていたんでしょうか。 大鶴氏: 発売当時は日本国内のみで、Steamでは販売していなかったんです。ただ、アジア圏のユーザーさんから「Steamでも売って欲しい!」という声がありまして、そこからまた四苦八苦があったんですけど(笑)、出すことになりました。 それから6~7年ですかね、売り上げの大半が海外メインになりました。最終的にはベスト3として日本、北米、中国の3ヶ国が入っています。 ──逆に言うと今回の『VRな彼女』は最初からSteamで、それも全世界販売ということですよね?なにかそれを踏まえたプロモーションとかは考えられているんですか? 大鶴氏: 考え……たいんですけどね(苦笑)。なかなか難しいところがあって。 山口氏: 先ほどお話した『VRカノジョ』のアワードやイベント出展の時みたいなことが、今でもあるんですよ。ある海外の会社さんと、和気あいあいな感じでやり取りしていた中、タイトルと内容を出したら途端にシャットアウトして、いくらメールを送っても返事がこないといったようなことが……。 ──そ、それはなんとも露骨な……。 山口氏: なので、今の時点では「部分的には頑張ります」ぐらいしか言えないんです。 ただ、そういうことがありながら、『VRカノジョ』の海外売上は好調という、よく分からない状況になっているんですよね。それ以上の追求はしないでおきますけど……世界は不思議です(笑)。 あと、実はクラウドファンディングをするCAMPFIREさんも、最初は「公序良俗に反するプロダクトはダメです!」って言われたことがあったんですよ(笑)。その時も「いや、これは一般向けに作るものですので!」って返したことがありました。 ──本当にいろんなところで四苦八苦されているんですね……。 大鶴氏: まあ、その大変さは前職の時に骨身に染みて味わってきていますので……。 でも、このようなコンテンツを出してもそこまで無下にされないと言いますか、Steamで発売できたというのは本当に大きかったですね。VRのおかげにも近いのかな、と思います。 ──確かにVRでやっていると、作品自体の魅力が必要なのはもちろんですが、それにプラスアルファして「なんか新しいことをやっているから面白そう」という風に見られるのかもしれませんね。 大鶴氏: タイトルの方向性とかもあるんでしょうね。でも「純粋に女の子と会いたいことの何が悪いんだ!」っていう(笑)。 ■受け継がれし“イリュージョニズム”とはズバリ「やりたいことをやる!」 ──今回、発表を見させていただいた時に一番気になったのが、ヒロインである夕陽さくらの顔が出ていないことだったのですが、あれはなにか戦略があって出していないのでしょうか。 大鶴氏: はい、そうなります。あれはティザーイメージですので、キャラクターはしっかり盛り上がる場所で、盛り上がるタイミングで出せればいいなと思い、今の時点では顔を出さないようにしています。 ──最初に発表があったのが2024年の6月ごろでしたよね。あの発表の時、ファンの方々……特に『VRカノジョ』のユーザーの皆さんからの面白い反響とかはありましたか? 大鶴氏: 前職のILLUSIONが解散した後でしたので、「復活するのか!」みたいなリアクションはいただきました。残念ながら、今回のプロジェクトはILLUSIONを復活させるというものではないのですけど、ILLUSION時代に培った“イリュージョニズム”を継承できればと思っています。 ILLUSIONが無くなって『VRカノジョ』は終わったと思っていたユーザーさんから「新しい『VRカノジョ』みたいなコンテンツが今後、出てくるのか!?」と、期待していただいたのは印象的でしたね。 ──イリュージョニズムですか……。大鶴さんにとっては、それはつまりどのようなものなのでしょうか。 大鶴氏: ずばり「やりたいことをやる!」ですね(笑)。まあ、『VRな彼女』についてはやりたいことというのがある程度、方向性として決まってしまっているのですが、「VR空間内で女の子と出会える」というのが一番のテーマです。 今まではゲームに登場させても見るぐらいだったんですが、VRであれば「出会う」という体験が味わえます。なので、VRで女の子と出会えるコンテンツというものを作っていきたい。そこをイリュージョニズムにしていきたいなと思っています。 ──なるほど……。山口さんは大鶴さんを見ていて、イリュージョニズム的なものを感じられますか? 山口氏: 女の子のキャラクターを作ることへのこだわりがすごいですね。自分から見ると「これで十分では?」と思うのですが、顎のラインを調整した方がいいとかのやり取りがあって。その修正前・修正後を見比べてみても、素人目の僕からすると、どこがどのように変わったのかが全然わからない(笑)。 けど、修正したことによって「良くなった」と作っている側は感じているらしくて、その辺にイリュージョニズムと言いますか、すごさを感じます。僕からしたら「ああ、そうなんだ……」みたいになっちゃうんですが(笑)。なんとなく違和感みたいなものはあるんですけどね。 ──先ほどの匂いもそうでしたが、そのレベルまでキャラクターの作り込みにこだわっていらっしゃるんですね。 山口氏: そうです(笑)。 ──ちなみにイルミネーションさんに大鶴さん以外の元イリュージョンのスタッフの方というのは入っていらっしゃるのでしょうか。 大鶴氏: 直接入っているのは私だけになるのですが、外部の協力スタッフとして元イリュージョンの3Dモデラーが参加していただいています。 ──なるほど。人数は何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。 山口氏: 開発メンバーの規模はプログラマー、デザイナー、プランナー合わせて今、20名ほどとなっています。最初はこれほど大規模になることは考えていなかったのですが、プロジェクトの進行に伴って「あれもやりたい」「これもやりたい」という要望が増えていきまして、今の規模になりました。 作業環境はメンバーの所在地が分散していまして、ほぼリモート環境での作業となっています。雑談をしたり、ビジュアルが完成したらその動画やイメージを共有したりと、和気あいあいとした雰囲気の中で進めています。 大鶴氏: 率直に言って、『VRカノジョ』の時の開発規模を越えています(笑)。この規模での開発というのは、私自身にとっても初めての体験ですね。 山口氏: そうなんですよ。それで予想以上にプロジェクトが拡大したのもあり、多くの機能やコンテンツを追加するための資金が必要になりまして、CAMPFIREさんのクラウドファンディングを活用することを決めました。これは9月2日から開始する予定です。【※】 プロジェクトを始めたころは内部予算で賄える範囲で開発を進めていたんですけど、追加のアイディアを入れたり、クオリティを向上させるとなりますと、内部予算だけでは難しいということになりました。なので、支援者の皆さんからのご支援を受けることで、より魅力的な作品に仕上げてお届けしたいと考えています。 ──ILLUSIONさんが解散となった後、ILLUMINATIONさんの設立へと繋がるに至った経緯はどのようなものだったのでしょうか? 始まりに当たって、山口さんと大鶴さん、ILLUMINATIONの設立に関するお話を持ちかけられたのはどちらだったのでしょう。 大鶴氏: それは山口さんの方ですね。 山口氏: そうですね。ちょうど、バーチャルキャストを辞めてから、今度何をやろうかと考えていた時、やっぱりVR系のお仕事をしたいとなったんですね。それで、次の仕事に向けた調整をし始めようとしていた時に以前、『Vカツ』などで親しくしていた大鶴さんと偶然出会いまして、「何か一緒にやりませんか?」と声をかけられたんです。 それで『VRな彼女』を一緒に作りましょう、VRを盛り上げようみたいな話になって、トントン拍子で進んでいった感じでした。 ──なるほど。その後に大鶴さんが参加されたという流れだったのですね。ちなみに大鶴さんはILLUSIONの解散報道があったタイミングでは、すでに卒業されていたんですよね? 大鶴氏: はい。ILLUSIONを卒業する前は「ILLUSION VR(IVR)」で、『Vカツ』という3DモデルのキャラクターをカスタムできるVTuber支援ソフトのサービスをメインに活動していました。 ただ『Vカツ』が2022年にサービス終了となり、『IVR』も活動を終えるという話になって、そのタイミングで私もILLUSIONを卒業しようと判断し、退きました。その時点では、ILLUSIONがそんなに早く解散するとは思ってもいなかったんですね。 ──それが約1年ぐらい経った後、突然解散が発表されてしまった、と……。 大鶴氏: 私としては驚きもありつつ、残念だなという立場でそれを見ていました。それをもって、今までやっていたILLUSION的な活動は控えようと思い、数ヶ月ちょっと充電期間を置いて「何をしようか?」と考えていたんですね。 そのタイミングで山口さんにお声をかけていただきまして。実はそのころ、『VRカノジョ』のユーザーさんから「『VRカノジョ』、次回作は出ないんですか!?」「ILLUSIONって完全になくなっちゃったんですか!?」って声が結構届いていたんです。 それで山口さんから「一緒に何かやりませんか?」とお声がけされ、「違うことをやろうかと思っていたけど、『VRカノジョ』のユーザーさんが心配している声があるなら、またこれをやってみよう!」という流れで参加しました。 ──それでILLUMINATIONが設立され、『VRな彼女』の開発が始まったという流れになるんですね。しかし、山口さんは今まで、VTuber的な活動をメインとされてきた中で、なぜゲームの方へと行こうとなったのでしょうか。なにか心境の変化があったのですか? 山口氏: いや、心境の変化はなくて、単純にVRが好きなんですよ。VRが好きなので、VRを盛り上げたい。その一心です。VTuber的な活動をしていることも、VRという基盤の上に乗っかった上での話なんですね。 自分はVRでここまで育ててきてもらっているというのがありますので、VRを盛り上げていきたいんです。まあ毎年のように、VR元年、VR元年って言われていて、「いつになったらVRが盛り上がるんだ?」ってのもありますが(笑)。 ──「VRを盛り上げたい」という想いが根底にあるんですね。 山口氏: そのためには色んなコンテンツをどんどん出していかないと、VRは盛り上がるにも盛り上がりようがないと思います。なので、その一心で今回、ゲームをやってみようとなりました。 『VRな彼女』はもちろんゲームだと思いますし、実際そうなんですが、自分にとってはVRでしか味わえない表現やリアリティを追求した「VRのプロダクト」でもある、という考えなんですね。 ──意図としては、ゲームというよりもVR空間を楽しむためのツール・コンテンツといったところでしょうか。 山口氏: ゲームという括りに入ったコンテンツではあるんですが、単純な「ゲーム」という枠に留めてしまいたくはなくて。言うなれば、夕陽さくらというキャラクターの息遣いが感じ取れるプロダクト……でしょうか。私としては「VRって、こういうものなんだ!」っていうものをユーザーに見せていきたいんですね。 ゲーム部分のエッセンスに関しては今、プロデューサーの大鶴さんに全力で作っていただいている状況です。なので、今回はVRゲームを作るという流れですけど、あくまでも自分としてはVRコンテンツで、その土台の上に「VRを盛り上げたい」というポリシーが込められているという感じなんです。 ■VR美少女ゲームを手がけたクリエイターが考えるVRの自由度とは? 自由こそ「没入感を高めるため」の手段である ──前回の『VRカノジョ』が出たころの話題になりますが、ちょうど2018年に電ファミでインタビューさせていただいたことがあって、その時に「VR美少女ゲームのキーワードは自由度である」と仰られていたんですね。大鶴さん、山口さんそれぞれが考えるVR美少女ゲームの自由度というのはどんなところにあるとお考えなんでしょうか。 山口氏: ユーザーが取りたい行動を取れる。それが自由度の極みなんじゃないかなとは思いますね。 大鶴氏: 美少女ゲームに限らず、VR全般における自由度はプレイヤーの没入感を高めるために重要な要素だと考えています。VRではプレイヤーが実際に身体や手を動かしたりして、ゲーム内の行動ができるんですが、この身体的な自由というのは没入感を高めるために非常に重要な要素だと思います。 非VRのゲームはディスプレイを見てコントローラを使うという、それこそ遠隔操作しているようなものですが、VRゲームはゲームを実体験していることに等しいんですね。その実体験をリアルに感じるためには、自由度が欠かせない。ゲームへの没入感を高められるもの、それがVRゲームにおける「自由度」ではないかなと考えています。 ──確かにVRはプレイヤーが世界に直接入り込む形ですから、ゲームそのものを体験しているというのは仰る通りだと思います。 大鶴氏: 例を挙げると、背景に映っている椅子、テーブルを持って投げるとか、VR空間内にあるオブジェクトに対する干渉も自由度のひとつですよね。また、非VRのゲームだと、コントローラを使ってゲーム内の「はい・いいえ」を選ぶことでストーリーやキャラクターの反応が変わるというのが定番ですけど、VRの場合はそれをプレイヤーの動作で行えるようになるわけです。 行きたい場所に視線を向けたり、女の子の視界に入らないようなリアクションを取るとか、そういう選択肢が増えることもまた、自由度の広がりに繋がるのではないかと思います。 ──プレイヤーの行動に応じた多彩なリアクションがゲーム内に用意されている、「自由度」というキーワードをかみ砕いていくとそんなイメージでしょうか。究極的には、どんな行動をしても的確なリアクションが返ってくるような。 大鶴氏: そうですね。ただ、実際のところはプレイヤーの行動に対してリアクションを用意しているもの、していないものがあるという感じです。 美少女ゲームの場合、メインとなるのは女の子に対してのコミュニケーションですが、あまりにリアクションを用意してしまうと、逆に「想定していない行動」をユーザーさんが取りにくくなるかと思っているんですね。 なので、そこはある程度、リアクションがないところも用意し、ユーザーさんが自分自身で意味付けをしていただければなと思っています。 ──まさに『VRカノジョ』でユーザーさんが独自に演劇を作ってしまうような、そんな余地を設けることを意識されているんですね。それにしても、山口さんも大鶴さんもVRに対しては非常に強い思い入れがあることを感じさせられますが、御二方にとってのVRの原体験と言いますか、思い出に残っているものはございますか。 山口氏: VRの原体験になったものは……(自主規制)でした(笑)。 ──そ、それはものすごい原体験で……(笑)。 山口氏: 元々、自分はネットワーク系のエンジニアでして。エンジニアと言ってもコードを書いたりする方ではなくて、ケーブルとかサーバーを作る方だったんです。その当時からスマホ向けVRというものがあったんですが、それ用のコンテンツを作った人間が身近にいたんですよ。それを見せてもらって「VRスゲえ!」ってなりまして。 それで『Unity』ってのを覚えれば作れるって聞いて、Unityを勉強し始めた……というのがスタートでしたね。 大鶴氏: 私が思い出に残っていると言いますか、一番感銘を受けたのはバンダイナムコさんの『サマーレッスン』です。ちょうど『VRカノジョ』と発表のタイミングなどが一緒だったんですね。 『サマーレッスン』はPlayStation VRで、私たちの方はPCと、お互い別々のプラットフォームでしたけど、いろいろと頑張ったのが思い出深いですね。私的には勝手に『サマーレッスン』をライバル視していましたので。まあ、バンダイナムコさんからすると眼中になかったかと思いますが(笑)。 ──でも、ユーザー視点からすると『サマーレッスン』と『VRカノジョ』はVR美少女ゲームの二大巨頭みたいなイメージはありましたね。PSVRだったら『サマーレッスン』、PCなら『VRカノジョ』といった感じで。 大鶴氏: 『サマーレッスン』は女の子もすごく可愛くて、『VRカノジョ』ではできなかったこだわりもたくさん入っていましたから、非常にリスペクトしていました。いま、後継のPlayStation VR2がPCに対応するとかをやっていますし、個人的には『サマーレッスン』もPC、Steamで出したりしないかなと夢見ています。 ──それで実際にPCVR版が出て、『VRな彼女』と並んだらちょっとエモいですね(笑)。かつてのライバルが隣に立つような雰囲気で。 大鶴氏: まあ、バンダイナムコさんからしたらいい迷惑かもしれませんけど(笑)。私からすれば、もしそうなれば嬉しいですね。 ■VR人気がなかなか爆発しない……でもVR空間には大勢のユーザーがいるという不思議 ──先ほど「VRを盛り上げたい」という一心で『VRな彼女』に取り組んでいると山口さんは仰られていましたが、先ほども「VR元年と毎年言われている」というお話があったように、なかなかVR人気が爆発しないという状況は続いていますよね。 山口氏: まあ現状、『VRChat』がいちばんVRで盛り上がっているところというイメージですね。 大鶴氏: それこそVRが最初に出てきた頃は「インターネット、スマートフォンの次にVRが来る!」とすごい持ち上げられた時期がありましたけど、いまは全然ですよね。まだコンシューマゲーム機にも追いつけていないと思います。 ただ、VRユーザーと市場の一定の増大は出ていますので、無くなることはないだろうな、と。インターネット、スマートフォン、そしてコンシューマゲーム機のようにはいかなくても、VRのプラットフォームがどれだけ進化し、ユーザーを獲得できるのかは純粋に楽しみです。 身近にはあまり、VRをやっている人っていないんですけど、例えば『VRChat』のようなVR空間内に行ってみるといっぱいいるんですよね。「この人たちは一体、現実のどこにいるんだろう?」とよく思います。そういった人たちが増え、今後「VR」が徐々に広がっていけばいいなと思っています。 ──VRならではの体験というのは間違いなくあると思うんですよね。ただ、私たちのようなメディアとしては、基本的にテキストで発信していることもあって、その体験を言葉にするのが難しいところもありまして……。そこを踏まえた上で、御二方があえてVRプラットフォームを選び続けている理由として、VRには何か代えがたい魅力というものを感じられているのではないかと思うのですが、実際はどのようにお考えなのでしょうか。 大鶴氏: それについてはやっぱり、没入感につきますね。美少女ゲームなら、ディスプレイ越しに女の子を見るのではなくて、同じ空間の中で実際に対峙して、コミュニケーションが取れる。その没入感を味わえて、制作面で追求していけるのがVRというプラットフォームの強みだと思います。 まあ、まだヘッドマウントディスプレイを装着したり、コントローラを使うなどの制約があるんですけど、ディスプレイ越しで見る以上に没入感が増すのは間違いないと思っています。そこがVRをやっていきたい思いの一番の理由になりますね。 山口氏: 自分は純粋に「VRは楽しい!」と思っているんですね。2Dのディスプレイではできない、VRでないと表現できない、縦横に対して奥行きのある世界があることに魅力を感じています。 VTuberさんも、VRで表現すると奥行きがプラスされることによって、より面白くていいコンテンツが作れると思っているんです。それを信じてバーチャルキャストをやっていたんですが、結果的にWEBカメラでLive2Dの平面の方が配信が楽ということもあって、そちらの手法が流行っちゃって。やっぱりセットアップするのが大変なんですよね。 大鶴氏: いまのお話もふくめ、まだVRはいろいろと制約の多いプラットフォームだとは思います。なので、今はコアな人たちしか残れていないんですが、そこはいずれ技術的な発展でVRに手軽さが付いてくれば、もっと広がっていくんじゃないのかと見ています。 ──ちなみに最近、御二方が体験されたVRコンテンツで「面白い!」と感じられたものはなんですか? 大鶴氏: 私は『8番出口VR』です。同作はもともと非VRのゲームですけど、VR化によって違ったプレイ感が生まれて面白くなるんだな、と感じました。 『8番出口』のようにコンテンツとして優秀で、知名度のある作品がVR化するという流れは今後、増えていくといいなと思っています。まだ、なかなかVRだけでコンテンツを作るというのにはハードルの高い部分がありますからね。 山口氏: 私はやっぱり『バーチャルキャスト』ですね! 今もライブ配信をやっております! 一同: (笑)。 山口氏: それはさておき、最近に出たVRコンテンツとなりますと『進撃の巨人VR』ですね。あの低価格でこのクオリティはすごいなと感じました。 ただ元開発の人間で、しかも社長業をやっている身としては、「これってちゃんと利益出ているのかな?」とも考えてしまって(笑)。 ──ああ……(笑)。 山口氏: こういうことを考えてしまうの、本当にダメですよね(笑)。 大鶴氏: ついこの間、ユニバーサルスタジオジャパンで『鬼滅の刃』のVRを体験する機会があったんですけど、私も開発者視点で「どうやっているんだ、これ?」って見ちゃいましたね。VRゴーグルを外したら、何が見えるんだろうって(笑)。 なので、ちょっと純粋に楽しめなかった部分もあるんですけど、これもVRコンテンツとしては非常に優秀で、没入感を追求しているものになっていて面白かったですね。 ──元々、身体が動くアトラクション的な要素とVRというのは相性が良いのかなと思っていまして。身体にも刺激が来ると、単純に臨場感が増しますよね。 大鶴氏: そうですね。没入感を高めるための要素をしっかりコンテンツの中に採り入れているんです。だから、家で遊ぶだけがVRじゃないという可能性は、もしかしたらあるんじゃないのかと考えたりもしますね。 ■日本のユーザーは変身願望が強いからトラッカーがたくさん売れ、その技術も発展した? ──御二方はVRの黎明期から、その進化の過程を見られてきたと思うのですが、ここ数年におけるVRの進化はどのように捉えられていますか? このようなところが発展した、優れたものになったとか、明確に以前とは違うものになったと感じるものはありますでしょうか。 大鶴氏: やっぱり、Meta Questに代表されるスタンドアロン型VRヘッドセットの形が進化してきたなと思います。最初の『VRカノジョ』の時は有線で、コントローラもトラッキングも無くて、結構できることに制約があったんです。その当時を思えば、今のスタンドアロンの進化はすごいです。 今、VRを始めている方もスタンドアロンからが多いですからね。ただ一方で、その進化がどれだけすごいのかは、スタンドアロンから始めた人には分かりにくいところもあるんですよ。コントローラを使うとか、その辺の基本は変わっていませんから。なので、その辺りの進化は今後の課題のひとつになっているように思います。 山口氏: 自分はボディトラッキングですね。今、ソニーさんの「mocopi」とか色々出ていますけど、ああいうところが発展しているのはすごいと思います。あと、ボディトラッキングのニーズって日本が一番多いらしいんですね。 ──そうなんですか!? 山口氏: 例えばHTCさんが出したトラッカーって、本来はラケットやモデルガンに装着して、コントローラとは違う臨場感を味わうことを目的にしていたらしいんです。 けど、日本人は膝とかにつけて全身トラッキングを可能にするとか、まったく違った方向に活用する人が多かったようでして。それで日本が一番、トラッカーが売れたという話を元HTCの方から聞いたことがあります。 ──なるほど、使い方によって遊び方を拡張したわけですね。 山口氏: ですね。トラッカーってふつう2個ぐらいあればいいんですけど、日本はひとりひとりが5~6個買うんですよ。それでトラッカーが不足した、なんてこともあったみたいです。 あとはフェイシャル機能、目線が分かるというものですね。一部のヘッドマウントディスプレイにあるものですが、本来はスーパーマーケットの棚をVRで再現した時、人間はどのような目線で棚を見るのかなど、そういう目的で使うものだったらしいんです。けど、日本のユーザーの方々は可愛いアバターの黒目を動かしたいがために使うという(笑)。 ──そういうニーズも日本が特に多いと。 山口氏: そうなんですよ。それでHTCさんがフェイシャル系の生産を中止にでもしたらヤバいぞってなって、買い占めが起きたりとか(笑)。 だから、本当にVRのキャラクターをリアルに投影する技術はすごく進化してきていますし、手軽になってきているなと思いますね。 ──なんでしょう……日本のユーザーは元々実用的だったものをエンタメとして消費すると言いますか、楽しくしちゃおうという考えが根底にあるんでしょうか。 山口氏: あと、アバターも今ではだいぶ変わりましたよね。Metaさんのアバターって、昔は下半身と腕がなく、手だけというデザインでしたが、あれって、海外ではああいう必要最低限のものがあれば十分というのがアバターとしての基本的な考え方なんです。 でも、日本……いや、アジア圏は違うんですね。実際、下半身があるかないかで没入感が変わるんですよ。脳を騙すと言いますか、自分の足があることによってこの世界に入り込んでいるという実感が生まれやすいんです。自分は「足があった方がVR酔いを起こしにくい」と思っています。 ──足があった方がVR酔いを起こしにくい、ですか。 山口氏: あくまでも僕の勝手な自論です。逆に下半身がないと脳を騙し切れないから、VR酔いが起きるんじゃないのかと思っているんですね。 ──なるほど……興味深いです。あと山口さんはVRコミュニティ周りも活用されていると思いますが、日本のVRユーザーの変化って感じられますか? 山口氏: 若い人が多くなったとは思いますね。あと多分、『VRChat』の影響だと思いますが、クリエイターと呼ばれる人たちが本当に増えたと思います。 ──確かにクリエイティブな人は増えた印象がありますね。自分のアバターを自分で作ったりして、VR空間が表現の場として確立されてきているように思います。最近ですと、コトブキヤさんのようにアバターを作る企業さんも増えてきていますし。なんというか……皆さん、可愛い姿になりたい思いが強いのでしょうかね。 山口氏: どうなんでしょうね……って、「お前が言うな!」ですけど(笑)。「だって、みんな美少女になりたいんでしょ?」と思います。 大鶴氏: 実際、変身願望が日本人には強いと思います。VRの話をあちこちで聞いていると、世界ではそれが日本特有らしいんですよ。 ──確かに幼いころとか、『仮面ライダー』のようなヒーローになりたいみたいな変身願望を抱くことはありますね。その願望と欲求を叶えるプラットフォームとして、VRが成長しているんじゃないのかなと思ったりします。 大鶴氏: 海外だと、自分自身をVRに投影させたい、自分そのままがVRの世界に入り込む願望が強いみたいなんですね。けど、日本人は自分ではない違う人になりたい願望が強いようで。 山口氏: 少し前に目にした考え方なのですが、宗教観とかもあるらしいんですよ。仏教って転生、生まれ変わる概念があるじゃないですか。いま、異世界転生を題材にしたライトノベルやアニメが流行っていますけど、あれもそういうのから来ているようなんです。 まあ、要はみんなリアルが嫌なんですね(笑)。だから異世界に転生してヒーローになりたい、チヤホヤされたいということに繋がるんだと思います。 だから日本はそういう考え方が普通に受け入れられる一方、欧米とかでは受け入れられにくい、理解できない場合もあるらしいんですよね。その関係で、異世界転生が題材のアニメを放映できないところもあると聞きます。 ──各所の文化というか、そういう根底になるものがあってのエンタメというわけですね……。 ■FPSとホラーに偏りがちなVRゲームの現状で、日本の強みである“可愛い”が突破口になる!? ──話題は前作『VRカノジョ』が出た頃のことに戻るのですが、当時はそんなに売れる自信というのはなかったんですか? 大鶴氏: いいものを作っている、作りたいものを作っているという自信はありましたね。でも売ることについては不安があって、3000本出れば御の字だろうという思いでした。その3000本という目標を1ヶ月で達成してしまって、その時は「マジっすか!?」となりました。最初はSteamではなく、自社ブランドの通信販売としての供給でしたので。 それでSteamで出してみると、最終的に何十倍もの数が出たんです。その時には「やっぱりVRってすごいな」って実感しましたね。それは5~6年前のことですが、今では単純的なユーザー数はそのとき以上に増えていて、市場が小さいという訳でもなくなっている。まだまだ、チャンスはいっぱいあるな……みたいなことを思っています。 ──確かに大手のメーカーさんが軒並みVRに来ている状況ではありませんからね。 大鶴氏: 今後の市場が発展するかも、すべてはコンテンツがあってこそだと思います。なので、その辺のコンテンツがどんどん増えていくことが一番大事だと思いますし、そうであって欲しいですね。 ──コンテンツに関して、今のVR界隈を見て、御二方はどのようなことを感じられていますでしょうか。人は増えているかもしれないけど、まだ苦戦しているというのが現状であるように考えているのですが。 大鶴氏: いわゆるメタバース的なところに関しては、『VRChat』が非常に盛り上がっているように思います。その一方で、VRゲームは国産のタイトルがなかなか増えていかないんですよね。その勢いが衰えるとこの先、国産のVRゲームが無くなってしまう可能性もあると思います。 もちろん、今も頑張っている会社さんはいらっしゃるので、そこには引き続き頑張っていただきたいのですが、他社さんにもどんどんVRゲームに参入していただけると嬉しいですよね、私たちもですが、国産のVRゲームメーカーとして、世界にVRゲームを売っていくことを広げていきたいです。 なんというか、海外のVRゲームはガンアクション(FPS)とホラーばかりで、ものすごく偏っちゃっているんですよね。私からすると「そんなに人を撃ちたいのか?」と(笑)。そうではなくてもっと違ったもの、可愛いものとか、そういうコンテンツを作れるのは日本のVRゲームの強みじゃないのかなと思うんです。 ──確かにカワイイに関しては、日本が先進国かもしれません(笑)。山口さんは最近のVR界隈をご覧になっていて、どのようなことを思われているのでしょうか。 山口氏: なんと言いますか、VR=『VRChat』とか、メタバースみたいな印象が最近は強いですよね。それを見ていて、「他にもいろいろコンテンツがあるんだから、みんな遊ぼうよ」という気持ちがあります。 まあ、VRでマネタイズするのって本当に大変で、自分自身もきついことを痛感しているんですが、VRは面白いんだよと伝えたい。そして、日本固有のコンテンツやプロダクトを作って、世界にどんどん発信できればという気持ちです。 ──逆に今後、VRコンテンツはどんな風に発展していくと考えているのかも伺ってみたいのですが……。 大鶴氏: これは予測というよりは願望に近いんですが、先ほどあった『8番出口』のような有名なIPがVR化されて売れるという流れができて欲しいですね。これがVRの展望に限らず、ゲーム業界の幅を広げていく意味でも重要じゃないのかなと考えています。特に大手さんは素晴らしいIPをいっぱい持っていますから、それをどんどんVR化して、VR市場の発展に寄与していただけたら嬉しく思いますね。 反面、VRはコンテンツとしてはまだまだ市場に広がっていませんので、個人開発者や小規模な開発チームの方々が挑戦しやすいプラットフォームになるのではないかと思います。『VRカノジョ』もそうですが、自社内部で「これ、売れるの?」って出す前に言われたんです。実際、私自身も不安だったんですけど、出してみたら「こんなにユーザーさんが居るんだ!」と、ビックリ仰天なことになりました。 なのでアメリカンドリームじゃないですが、VRドリームって結構あるんじゃないのかと思います。これから大型IPではない、小規模なタイトルもどんどん作られ、市場に出てくれたらなと、そういう願望がありますね。 山口氏: 最終的にはヘッドマウントディスプレイが小型軽量化して、普通に眼鏡をかける感じで楽しめるという、『レディプレイヤー1』みたいな世界になることを信じて、僕はVRをやっております(笑)。 なんと言いますか、環境が変わる感じです。今はパソコンのディスプレイを通す形ですけど、こういうインタビューや打ち合わせも、眼鏡をかけるだけですぐにできてしまう世界ですね。そういう願望があります。ただ、『レディプレイヤー1』の世界って一社独占ですから、現実的じゃないかなとも思うのですが(笑)。 一同: (笑)。 山口氏: バーチャルキャスト時代にも、一社独占じゃなければ難しいことを思い知らされたことが何度もありましたので。けど、その辺の課題がクリアされ、あのような世界ができるといいなと思いますね。 ■ILLUMINATIONがILLUSIONのライバルとなれる日を目指して ──『VRな彼女』の開発状況はどのような感じなのでしょうか。 大鶴氏: 実は今の開発メンバーには、今まで美少女ゲームを作ったことがある方がほとんどいらっしゃらないんです。それもあって、最初は手探りから始まりまして、それなりの時間を要したんですが、今はだいぶこなれてきました。それにゲームの方向性とやりたいことは決まっていますので、これから発売に向けて、ラストスパートに入っていくことになると思います。 ──今回の『VRな彼女』で、一番ユーザーさんに見ていただきたいポイントというのはありますか。 大鶴氏: やはり、夕陽さくらというヒロインをディスプレイではなく、VRで見て欲しいというところです。今後、夕陽さくらの顔や動いているところなどがディスプレイ越しに出てきますが、それだけで終わらずにVRでも見て欲しい。 私たち作っている側としても、同じキャラクターでありながら、ディスプレイ越しとVRでは全然違って見えるんです。その違いをぜひ、実際に見て欲しいなと思います。 ──お話を聞いていて、普通のゲームの3Dモデルと、VRゲームの3Dモデルは制作面でも違いが生まれてくるように感じたのですが、実際にそのようなものがあるのでしょうか。 大鶴氏: ありますね。普通のゲームの場合、開発者が見せたい部分を見せるんですけど、それは逆に言えば、見せたくないものは見えない、ユーザーさんも見ることができないんですね。ただ、VRはユーザーさんが自由に行動でき、見ることができてしまいます。 上を見れば上が見えますし、下を見れば下が見えます。つまり隠す場所、死角がないんですね。キャラクターに限って言えば、肌の質感といったディティールをしっかり付けてあげないと、粗さが目立ってしまうんです。そういうところは気を遣ってやっています。そこがVRでの表現における一番難しいところであると同時に醍醐味ではありますね。 ──序盤のお話に戻ると、「どこでも見られる」という自由度を担保する必要があるんですね。 大鶴氏: そうです。極端な話、ふつうのゲームであればプレイヤー自身の背中側って存在しなくていいですよね。でも、VRはふっと振り向くことができますから、基本的に360度作っておかなくてはならない。その辺が難しくもあり、VRの楽しさとして繋がる部分ですので、重要だと思っています。 ──あと今回の『VRな彼女』の制作に当たって、影響を受けている作品とかはあるのでしょうか。先ほど『サマーレッスン』のお話がチラッと出ましたが。 大鶴氏: それについては前作の『VRカノジョ』です。精神的な後継作品と名乗っていますが、スタッフには前作のメンバーがほとんどおらず、技術的な知識もない中でゼロから作り上げているんですね。根本的な部分では違っているので、どちらかと言えば続編というよりは、リブートの意味合いが強いコンテンツになっているんです。けど、やりたいことは前作の『VRカノジョ』と同じ感じなんです。 ──まさに「やりたいことをやる」というイリュージョニズムも継承されている、と。 大鶴氏: なかなか他にこのようなVRの美少女ゲームを作られている方々っていらっしゃらないんですよね。作りたいと思っている人はいっぱいいると思うんですけど、なかなか出てこない。どうしてなのだろう、と思うんですね。 Steamでは『VRカノジョ』が3~4年、VRジャンル内のトップ10に入ったんですけど、それ以外のトップ9には同じようなゲームがほとんどありませんから。大体、ガンアクションかホラーで、偏っているんですよね。 ──確かに意外とVR美少女ゲームって少ないですよね。わりとVRというデバイスから思いつきやすいジャンルだとは思うんですが、実際に作るところまで行く方々があまりいらっしゃらないのかなと。コスト的にすごく重いから、という訳でもなさそうなんですよね。 大鶴氏: これはVRに限りませんが、ゲームにおいて可愛いとか綺麗という表現は意外に難しいんですよね。逆に汚い表現は簡単なので、そこのハードルの高さもあるのかなと思います。 ──そういうのはやはり、これまで培ったノウハウが必要になってくるんですね。ちなみに以前の『VRカノジョ』のインタビューで、「ILLUSIONのライバルが見つかるといいね」と仰っていましたが、その後、ライバルは見つかったのでしょうか。 大鶴氏: いやぁ……今のところはないです。ただ、おこがましいですが、現在のILLUMINATIONがILLUSIONのライバルになれればとは思います。将来的に「ILLUSIONを超えた」と言われるようになると嬉しいですね。 ■ILLUMINATIONの基本ポリシーは「面白いものを作っていく」。それはVRのみに留まらない ──最後に今作『VRな彼女』に込めた思いに関して、それぞれ語っていただければと思います。 大鶴氏: 私としましては、今回の『VRな彼女』にはチャレンジ的な意味合いが強いんです。開発がほとんどゼロからのスタートでしたし、最終的にどのような形に出来上がるか不安でもあり楽しみでもあります。 ただ、『VRカノジョ』のユーザーさんにはぜひ、楽しんでいただきたいというのがあります。今回、『VRな彼女』を作る動機のひとつとしても、『VRカノジョ』を楽しんでいただいたユーザーさんにお礼をしたいというのがあるんです。前作は本当、多くのユーザーさんにプレイいただきまして、色んなお声をいただいたのが嬉しかったですし、制作の原動力になりました。 今回、そういう方々に向けて恩返しをしたく、心を込めて『VRな彼女』を作り上げたいと思っていますので、ぜひ、完成した暁には皆さんに体験いただき、VRで女の子、ヒロインの夕陽さくらと出会って欲しいです。 ──ありがとうございます。山口さんはいかがでしょうか。 山口氏: 本当に「VRを盛り上げたい!」という一心です。本当に日本からVRのコンテンツやプロダクトを増やしていき、「VRは日本がけん引しているんだぞ!」となり、最終的にILLUMINATIONがやっていくための第一歩として、この『VRな彼女』には賭けています。 ──山口さんとしては、『VRな彼女』というプロジェクトはある種の始まりということなのですね。 山口氏: そうです、始まりです。ここから、ILLUMINATIONは色んなVRのコンテンツを提供していくということになります。そして最終的にはILLUMINATIONという会社のVRプロダクトにはハズレがない、出たら必ず買うと言ってくれるようなブランドとして発展させていきたいと思っています。 ──ということは、ILLUMINATIONでは『VRな彼女』のような美少女ゲームに限らず、他のVRゲームも作られていくことを考えているんでしょうか。 山口氏: 基本ポリシーは「面白いものを作っていく」です。今はVRが面白いからVRをやっていて、VRが一番のオススメという感じですが、もっと面白いものがあれば、そこに飛びつくかもしれません。美少女以外でも面白いテーマがあれば、それを世の中に出していきたいですね。 ──ありがとうございます。締めとして、このインタビューを読まれている読者さんにお伝えしたいことがございましたら、お願いいただければと思います。 大鶴氏: それにつきましては、やっぱりクラウドファンディングですね!(笑)。本当に開発チームが大所帯になっていますので、応援したいという方がいらっしゃいましたらよろしくお願いします! あと、まだVRを体験したことがないユーザーさんは、この『VRな彼女』に限らず、他のコンテンツでもいいので、ぜひその没入感を体験して欲しいですね。そんなに怖いものではありませんので。その上で『VRな彼女』がきっかけのひとつになれば、より嬉しいですね。 山口氏: 魅力的な作品としてお届けするためにも、クラウドファンディング、なにとぞよろしくお願いします(笑)。 ──本日はありがとうございました!『VRな彼女』の完成とクラウドファンディングの成功を心待ちにしております……!(了) 四苦八苦はビッグチャンス。『VRカノジョ』のSteamでの販売に至るまでの苦労を聞いて、そんな言葉が脳裏をよぎった。実際、『VRカノジョ』はSteamで販売したことによって、数十倍の売上を記録するビッグチャンスをものにし、日本国外のファンを獲得するという実績を残した。実質、VR美少女ゲームの代名詞のひとつにもなったとも言える。 それを思うと、2023年のILLUSION解散報道で海外からも悲観的な声が上がったのも頷けると同時に、今回の『VRな彼女』に対して、ファンから熱い視線が注がれていることは容易に想像がつく。 タイトル名が直球すぎるゆえ、またしてもその手のゲームであると誤解されてしまうなど、四苦八苦が繰り返されてしまっているとのことだが、それは逆に言えば、再びビッグチャンスをものにすることを意味しているのかもしれない。未だVRゲーム界隈で今作のような美少女ゲームの例が少ないのもさることながら、昨今はFPS、ホラーとジャンルの偏りがより一層激しくなっているためだ。 そんな中に現れる『VRな彼女』は、唯一無二な存在感を発揮しそうではある。今回のインタビューを通しても、まだ開発中ということもあってゲームの詳細にはおぼろげな面もあるが、山口氏も大鶴氏もVRでしかできない表現と体験を追求し、制作に取り組んでいることがヒシヒシと伝わってきた。 最終的にどのような作品となって、世に現れるのか。全貌が明らかになる日が注目されるばかりだ。そして、今作の制作を応援したい、よりよいものを追求したいとの気持ちが高まったファンの方は、クラウドファンディングに参加してみてはいかがだろうか。
電ファミニコゲーマー:
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