「アイドル写真集」でニッポンを読み解く。大阪の古書店店主に聞くアイドルとファンの「おもてなし」
ブレイク前の初々しい仕草、関心高まるファースト写真集
最近関心が高まっているのがファースト写真集。アイドルがブレイクする前に出版した初々しい仕草や表情に、ファンたちは『萌える』ようです。現在、AKB48、NMB48など、多くのアイドルグループが活動し、写真集の出版も相次いでいます。握手会などのイベントを通じて醸成されるアイドルとファンの濃密な交流を、奥野さんは温かく見守っています。「イベントに参加するファンたちは歌や踊り、衣装やイベント構成などに関して、気づいたことをアイドルに助言します。アイドルたちも、ファンからのアドバイスを、活動に生かす動きが出ています」 好循環が生まれているからこそ、奥野さんは、先日、岩手で起きたアイドル握手会襲撃事件に心を痛めています。「会場セキュリティの強化などの改善策を導入し、ファンとの交流会を継続してほしい。クールジャパンの『かわいい』は世界的に注目されています。『かわいい』女性は、一元的な美しさの基準にとらわれず、女性の多様な個性や持ち味に着目し、積極的に引き出そうという男性たちの『おもてなし』の精神があってこそ、真価を発揮します。『かわいい』と『おもてなし』。アイドルとファンが率直に意見交換し、ともに成長し合える柔らかい信頼関係は、これからの日本社会のモデルにもなるのではないでしょうか。」 いくつになっても、いつも心にアイドルを―。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)