草彅剛はなぜ“いい人”でいられるのか? 『トークィーンズ』出演で浮き彫りになったこと
草彅剛は自分のメンタルのコントロール方法を知っている
次に「草彅のプライベートがミステリアス」だとし、履かないデニムパンツを旅先などに数本持参する噂について尋ねられた。草彅は「安心するんですよね。ホテルの部屋って初めてのところが多くて、そわそわして寝れないんですよ」「4つくらい持って行って、結界みたいに張って『俺は守られている』って」「好きなヴィンテージ(パンツ)とか楽屋に飾って。やりません? なんでやんないの?」とすべて事実だと言った。 さらに撮影現場などには、お手製の味噌汁を魔法瓶に入れて持参。撮影が殺伐としている時は、味噌汁を飲んで自分を落ち着かせるのだという。またフルーツも「幸せな気分になる」ということから持っていき、撫でたりするのだそう。この日の番組収録には、りんご、ナッツ、味噌汁を自宅から持ってきたと話した。 「イライラした時の自分への言い聞かせ」や「履かないデニムパンツを旅先へ持参する理由」の理由を聞いて、導き出された草彅のポテンシャルがひとつあった。それは「自分のメンタルのコントロール方法を知っている」という点だ。 あくまで草彅は“いい人”であって、“お人好し”ではない。だから当然、不安になったり、戸惑ったりすることはある。北京ダックのエピソード然り、対人関係に関しても自分に合わないところがあれば、ちゃんと好き、嫌いが表に出る。何があってもオールOKというタイプではないのだ。だからちょっとはイライラしたりする。 しかし、その「ちょっと」で抑えられるのが草彅の人間的な魅力である。自分のなぐさめ方や気持ちの落ち着かせ方を知っているから、怒りや不満の感情を大爆発させずに「ちょっと」でやりすごせるのだ。これは、本当の意味で“強い人”でないとできないこと。人間は自尊心があるので、ついつい「ナメられたくない」「やられたらやり返せ」になってしまいがち。しかし草彅は、「まあ自分のなかでこういうふうに思っておけばいいか」と気持ちを軽くする能力に長けている。そのうえで、メンタルが落ち込まないように自分で自分を労われる。だからこそ番組を鑑賞しながら、「草彅のような人と仲良くなりたい」と何度も思えた。