『ワイルド・スピード』を取り巻く確執の歴史 ドウェイン・ジョンソンの離脱から復帰まで
2人の水掛け論が続く
『スーパーコンボ』を境目に、同じフランチャイズ内でディーゼルとジョンソンが平和に別々の道を歩むのかと思いきや、2021年6月にディーゼルがジョンソンとの確執について、余計な一言を発信。「(ホブス役に)必要な演技を引き出すため、厳しい愛のムチをふるうのが僕のやり方だった」と、やや上から目線のコメントを発したことで、確執が再炎上する事態に。「フェデリコ・フェリーニ風ではないですが、自分の作品のパフォーマンスのためならなんでもします」と付け加えたディーゼルの言葉に対し、ジョンソンが「あれには笑った」と反応。お互いに対する批判を水掛け論的に延々と続け、その時点でジョンソンは本家シリーズへの復帰を完全に否定していた。
ヴィン・ディーゼルのSNS投稿で和解と思いきや……
もはや、2人の和解はあり得ないのか……と思われていたが、2021年11月にディーゼルがジョンソンに向けたメッセージをSNSに投稿。「君は出演しなければならない。このシリーズで君は重要な役を演じる、必要不可欠な存在なんだ」と綴り、本家シリーズ第10作への復帰を懇願し、ジョンソンとの関係を修復したいとの意向を示したのだ(※3)。ところが、そんなディーゼルの歩み寄りに対し、CNNのインタビューでジョンソンは、「シリーズに戻るつもりはないと、すでにヴィンに直接伝えたのに」と述べ、ティーゼルの投稿に驚いたと語っていた(※4)。
第10作にドウェイン・ジョンソンがサプライズで復帰
この時点で、本家シリーズにカムバックしないとのジョンソンの意志はかなり固かったようだが、その後意外な展開を迎えることになる。まさかのサプライズで、シリーズ第10作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(2023年)のエンドクレジットシーンに、ジョンソンがホブス役で再登場を果たしたのだ。とはいえ、問題のカメオ出演はホブスを主人公にした単独映画の伏線だと見られ、詳しい裏事情は分からないが、どうやらジョンソンの復帰は単独映画ありきで実現したものと思われる。エンドクレジットでは、ディーゼルとの共演シーンはなかった。 現時点では、本家シリーズ第11作にジョンソンがホブス役でカムバックし、ティーゼルと再共演を果たすかどうかは不明だ。しかし、第11作は20年以上にわたって大々的に展開された『ワイルド・スピード』シリーズの最終章となるため、ディーゼルとジョンソンが揃って、華々しいフィナーレを迎えることを期待したい。 参照 ※1. https://realsound.jp/movie/2021/10/post-880424.html ※2. https://www.thewrap.com/vin-diesel-killed-fate-of-the-furious-scene-dwayne-rock-johnson-jason-statham-removed-insiders/ ※3. https://realsound.jp/movie/2021/11/post-898484.html ※4. https://edition.cnn.com/2021/12/29/entertainment/dwayne-the-rock-johnson-interview/index.html
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