家族が亡くなりました。「相続税」はいくらかかりますか?ざっくり知るための2つのポイント【税理士が解説】
税額が高いという印象から、心配している人も多い相続税。2つのことが分かれば、相続税が課税されるかどうか、またその税額がおおよそいくらなのかを知ることができます。本記事では、いざという時のために知っておきたい相続税に関する2つのポイントを税理士が解説します。 【ランキング】都道府県「遺産相続事件率」…1~47位
遺産3,600万円以上から相続税が課税される可能性がある
相続税とは、相続で遺産を受け取った人が支払う税金です。しかし、相続で遺産を受け取った人の全てが相続税を支払うわけではありません。冒頭でお伝えしたように、相続をした人のうち10%以下の人しか課税の対象になりません。 これは、相続税には、遺産が一定額以下であれば課税されないという「基礎控除」があるからです。基礎控除の金額は、次の算式で求めた金額と定められています。 基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の人数 法定相続人が1人の場合は、基礎控除額は3,600万円となり、遺産総額が3,600万円までであれば相続税は課税されません。 したがって、法定相続人の人数がわからないときは、まず、「遺産総額が3,600万円以上あれば相続税が課税される可能性がある」と考えておくとよいでしょう。
相続税の計算…「法定相続人の人数」を知る必要がある
相続税が課税されるかどうかを判断するためには、基礎控除額がいくらであるかを知る必要があります。基礎控除額を求めるためには、法定相続人の人数を知る必要があります。 法定相続人とは民法で決められている「遺産を受け取る権利を持つ人」のことです。 法定相続人の範囲は次の表のとおりです。故人に夫や妻がいれば、その人は必ず法定相続人になります。また、子供がいるか、両親が健在であるかなどによって、誰が法定相続人になるかが決まります。 法定相続人の範囲 配偶者:必ず法定相続人になります 第一順位:子供・孫(直系卑属) 第二順位:父母(直系尊属) 第三順位:兄弟姉妹(傍系血族) (上位順位の人が健在の場合は、下位順位の人は法定相続人にはなりません) 法定相続人の人数がわかれば、基礎控除額、つまり、遺産総額がいくらを超えれば相続税が課税されるかがわかります。 基礎控除額の算式をもう一度示します。 基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の人数 たとえば、法定相続人が3人いれば基礎控除額は 3,000万円+600万円×3=4,800万円 となり、遺産総額が4,800万円を超えれば相続税が課税されます。