渡鬼子役「えなりかずき」が40歳手前で見せる「オトナ」の顔 週刊誌記者役では“怪しさ”が話題に
■「ブキウギ」でイメージが一変 その後、「渡鬼」が2011年に連続ドラマとしての放送は終了したこともあり、えなりの露出は減っていった。 「『渡鬼』終了から約10年間、あまりドラマに出なかったのはピン子との不仲説が影響しているとも報じられました。同ドラマの脚本家・橋田壽賀子さんが生前、『(ピン子と)一緒に出ると、えなり君がおかしくなるんですって。発疹が出たり』とインタビューで証言したり、ピン子自身もラジオでえなりのことを『あのガキ』と発言したりするなど、関係は相当悪かったようです。2022年になってピン子はインタビューで不仲説を否定し、和解したとされていますが、一時期はピン子との関係が悪化していた可能性は高いでしょう」(前出の記者) 子役の呪縛に悩まされ、さまざまな苦労を経験したえなりだったが、30代に入って徐々に評価されるようになっていく。 「2017年に出演した、自身の名前を冠したドラマ『さよなら、えなりくん』では“欲望の化身”のような悪役を演じました。よくも悪くも“子役・えなりかずき”のイメージをいじったイロモノ的な役だったのですが、意外性もあって話題になりました。また、2018年放送のスペシャルドラマ『指定弁護士』では主演の北川景子さんの夫役を演じたのですが、彼女はインタビューでえなりさんの演技力を絶賛していましたね。同年にドラマ『バイプレーヤーズ』の第2話にゲスト出演した際も、松重豊さんとの即興芝居を披露し、演技力の高さを見せつけました。そして、転機ともいえるのが、初の朝ドラ出演となった『ブギウギ』でしょう。子役時代から培ってきた演技力に加えて、親譲りの音楽的素養をフル活用させ、主人公の活動を支えるバックバンドの“良心”と呼べるような役を演じて、物語に温かみを添えました」(前出のテレビ情報誌編集者)
■情報番組のキャスター代理も 芸能評論家の三杉武氏はえなりについてこう述べる。 「えなりさんは『渡鬼』での素朴な好青年の役の印象が世間的には強く、小島眞役からの脱却には苦労した時期もあったでしょう。しかし、バラエティーへの出演などにより、素に近いキャラクターを出したり、私生活や趣味に関するエピソードを話したりすることで、呪縛からの脱却できるようになった印象です。2001年にはつんく♂さんプロデュースのシングル『おいらに惚れちゃ怪我するぜ!』で歌手デビューを果たし、同年のNHK紅白歌合戦に出場したり、2003年には『めざましテレビ』で軽部真一アナの代理でキャスターを務めたりとマルチな器用さも併せ持っています。今後も俳優業にとどまらない存在感を放っていくのではないでしょうか」 役者としての幅を広げたえなりは、ちょうどいいポジションの個性派俳優への道を歩み始めたようだ。 (雛里美和)
雛里美和