地元で愛され40年の歴史に幕…「なくしてはいけない」昔ながらの弁当屋“閉店と復活”の物語
看板も以前のものを忠実に再現。店内には… 福岡さん: 「僕たちが継ぐにあたって先代の方から、近くに小中学校が多いんでそういう子たちのために駄菓子をジュースを置いてほしいということで、じゃ僕たちも置きますと」
1日100食以上を提供!昔からの常連客たちは
お昼時、店内は最初のピークを迎えます。 昔からの常連客: 「新しくなってからまだ1回きょうで2回目なのかな。学生時分は友達とワイワイする時にちょっと小腹すいたから自転車で一生懸命ここまできて買ってましたんで」
こちらは部活帰りの中学生。 「僕は小学校の頃から」 「僕は中学校入ってから」 Q.ここが無くなったときは? 「そりゃ弁当どこ買いに行くかみたいになりますね」 昔からの常連客: 「すごくありがたかったですね。もう食べられないのかなと思ったら復活したって聞いて。そこまで味も変わってなくて」 毎日100食以上の作りたて弁当を提供しています。
「ここのお弁当が好き」な気持ちを同じように感じてほしい
この日、創業者の河野さんが新生クックを訪ねました。 河野さん:「(前回会ってから)1か月経っとらん」 福岡さん:「ちょこちょこ気使って様子見に来てくださるんで」
リスタートを切った「お弁当のクック」は伝統の味を受け継ぎつつ、しょうが焼き弁当や、人気の揚げ物が4種類入ったスター弁当…アジフライの入ったお弁当など、少しずつ新しいメニューも増やしています。
福岡さん: 「年配の方来られた時に幕の内ある?とか聞かれることあるんで、ゆくゆくは鮭弁当みたいな…油ものばっかりじゃないですか」 河野さん: 「なんでもしたら良い」 クックの閉店を知った福岡さんは、地元のツテを頼って河野さんに会い、自分の胸の内を伝えたといいます。 福岡さん: 「自分の(クックを)なくしてはだめという気持ちだったり、可能であれば僕が何かの形で残したいということを伝えて」
河野さん: 「うれしいというかね、やってくれる人がおるなと思ってね。昔宇和島に住まわれとってこの店に買い物に来られとったからね、ほんでどうぞということになった」 福岡さんのチャレンジを、河野さんは父親のような眼差しで見守ります。 河野さん: 「商いは一緒。何やっても一緒。一生懸命やることよ」 福岡さん: 「僕たちが子どもの頃からこのお弁当が好きだとか、そういった気持ちをこれからの世代にも同じように感じてもらえるように、お弁当作りと接客とそういうお店を作っていきたいと思います」 宇和島で長年親しまれた味を絶やさぬよう、「クック」はきょうもお弁当の物語を紡ぎ続けます。