50歳で退職後、「年収150万円」のアルバイトを5年間続けました。「年金額」はいくらになりますか?
働いている方のなかには、早期退職をして、アルバイトで自由時間を増やそうと考える方もいます。たとえアルバイトであっても、勤務時間や雇用条件などの加入条件を満たしていれば、社会保険への加入は可能です。 もし年収150万円で5年働いたとすると、それだけ老後の年金額を増やすことができます。 今回は、社会保険の加入条件と、アルバイトとして年収150万円で5年働いた場合に得られる年金額などについて、ご紹介します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
社会保険の加入条件
社会保険は、条件を満たしている方は必ず加入する制度です。 2024年10月には制度が改正され、社会保険が適用される範囲が拡大する予定です。勤め先の条件としては、101人以上の従業員数を有する事業所が対象でしたが、2024年からは、51人以上の従業員数を有する事業所も対象になります。 また、パートやアルバイトで働いている方が社会保険に加入するには、以下の条件を満たしている必要があります。 ・所定労働時間が1週間で20~30時間未満 ・基本給と諸手当を合わせた所定内賃金が月額8万8000円以上 ・雇用見込みが2ヶ月を超える ・学生以外(休学中や夜間学生を除く) 条件を満たしていれば、加入義務が発生しますので、もし条件を満たしているにもかかわらず、雇い主が手続きをしてくれない場合は、専門家などへ相談しましょう。 健康保険法第208条によると、雇い主が社会保険の加入手続きをしなかった場合は、6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科されるとしています。
年収150万円でアルバイトを5年続けると年金はいくら?
社会保険の対象になると、厚生年金保険にも加入して保険料を支払うことになるため、老後は老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金も受け取れます。老齢厚生年金の金額は、厚生年金保険の加入期間と、加入中の収入に応じて変動することが特徴です。 老齢厚生年金の受給額を求めるには、報酬比例部分を計算します。報酬比例部分は、平成15年4月1日以降に加入していた期間と、平成15年3月31日以前に加入していた期間とで求める式が異なり、それぞれは以下の通りです。 ・平成15年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×0.007125×加入月数 ・平成15年4月以降の加入期間:平均標準報酬額×0.005481×加入月数 平均標準報酬月額や平均標準報酬額は、給料を一定額ごとに区分した等級で表す標準報酬月額を使用します。年収が150万円の場合は、等級は6となり、標準報酬月額は12万6000円です。今回は賞与なしと考えるため、平均標準報酬額や平均報酬月額も12万6000円になります。 5年間のアルバイト期間がすべて平成15年4月以降だとすると、報酬比例部分は約4万1436円です。