高卒者地元就職率、青森県が全国最下位58% 唯一の6割未満、給与水準背景か
今年3月に青森県内高校(全日制・定時制)を卒業して就職した生徒のうち県内に就職した割合は58.9%(前年比2.8ポイント減)で、2年連続で全国で最も低く、全国で唯一6割未満だった。全国平均の81.6%と22ポイント以上の差があり、就職を機に青森県を出る高卒者の割合が高い傾向にある。県教育委員会は、県内企業の給与水準の低さなどが背景にあるとみている。 文部科学省が18日、学校基本調査(確定値)を発表したことに伴い、県教委が青森県分の「卒業者の進路状況」を公表した。 県内就職率が60%を下回るのは、2021年3月卒以来3年ぶり。全国では愛知が95.1%と最も高く、富山93.9%、北海道93.3%と続く。隣県の岩手は71.3%、秋田は71.4%だった。 県内就職率が全国で最も低いことについて、県教委学校教育課の担当者は取材に「(県内と首都圏の企業との)賃上げ幅の差があることが要因の一つと考えられる」と分析。県外への就職は「あくまで個人の判断」とした上で「県内にとどまってもらえるように今後も高校生に本県の魅力を伝えていきたい」と話している。 県内高校卒業者のうち、就職した生徒の割合(就職率)は前年比0.2ポイント減の23.5%で過去最低だった。一方、専修学校を除く大学などに進学した生徒の割合(進学率)は前年比0.9ポイント増の54.4%で前年の過去最高を更新した。青森県の全体の高校卒業者は前年比793人減の9011人だった。 今年3月の中学卒業者は前年比136人減の9779人。高校等進学率は99.0%(前年比0.1ポイント減)、就職率は0.2%(同0.1ポイント増)だった。