FRBは6月利下げの方向-モルガン・スタンレーのゼントナー氏
(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)は6月に利下げを実施する方向にあるとの見方を、モルガン・スタンレーのチーフエコノミスト、エレン・ゼントナー氏が5日示した。
ゼントナー氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「FRBが5月にも利下げに踏み切るとすれば、それはむしろインフレの問題だろう」と指摘。
「そんなに早く利下げをするのはハードルが高いと思うが、6月までには準備が整うと見込んでいる」とヨーロピアン・ハウスアンブロセッティの会議が開催されたイタリアのチェルノッビオから語った。
同氏は今年3回程度の利下げという市場の予想について、「当局の見解と一致している」と説明した上で、モルガン・スタンレーは「4回の利下げを予想しており、実際のところ10-12月(第4四半期)には利下げを加速させると想定している。その時点のインフレ率が当局の予測より高くなると考えているからだ」と語った。
「世界の中央銀行がいつ利下げを行うかが、本当に問題になるとは思わない」とも述べた。
同じイベントに参加したルービニ・マクロ・アソシエーツのヌリエル・ルービニ会長は、利下げに関して市場が当局よりも楽観的でないという逆転現象を強調。
「市場参加者はインフレ率がもっと高くなるのではないかと考え始めている」とブルームバーグテレビジョンとのインタビューで述べた。
これは「成長率が予想よりも高くインフレ率がそれほど下がらない『ノーランディング』の領域に米経済がある可能性のためか、あるいは、現在織り込まれている地政学的リスク、例えばエネルギー価格がインフレ率に影響を与えるような状況にあるためかのどちらかだろう」と話した。
原題:Fed on Track to Cut in June, Morgan Stanley’s Zentner Says (1)(抜粋)
--取材協力:Kriti Gupta、Anna Edwards.
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Lizzy Burden, Guy Johnson