2024年のゴルフ界MVPは誰? 世界のツアーを知るプロや有識者の答えは?
2024年のゴルフ界を振り返り、プロや識者、アマチュアゴルファーに「MVP」を選んでもらった。 女子プロのドレス姿はMVP級!?
●米ツアーはザンダー・シャウフェレ 私の仕事の"主戦場"である米ツアーから選んだMVPは、ザンダー・シャウフェレ。確かにスコッティ・シェフラーは、パリ五輪優勝を含め、9勝(12/1現在)、今年度の年間最優秀選手賞(ジャック・ニクラス賞)に選ばれ、3シーズン連続受賞。圧倒的な数字ですが、一方シャウフェレはメジャーの全英オープン、全米プロを獲っています。かの帝王ニクラスがメジャーで勝ちたい順番は全英オープン、全米オープン、全米プロ、マスターズと言っていました。シャウフェレはこのうちの1番目と3番目に1年間で勝利しています。メジャーはツアーで普通の試合の10勝分と言われているので、シャウフェレに軍配を上げました。本当は2人にあげたいです。(佐渡充高、テレビ解説者) ●竹田麗央がナンバーワン 日本国内のツアーで考えたら女子ツアーは竹田麗央が実績からしてナンバーワン。男子は「えーっと」と考えてしまいました。考えちゃう時点で「該当者なし」な感じがします。(50代女性、大阪府) ●日本ゴルフ界全体のMVPは「ジャパネットたかた」 私が推す日本ゴルフ界全体のMVPは「ジャパネットたかた」です。NHK BSでのPGAツアー放映は、一昨年で終了しました。現在はU–NEXT、ゴルフネットワークで見られますが有料です。それをBS Japanextは無料で見せてくれるのですからうれしいじゃないですか。全体とは別に各ツアーのMVPを挙げていくと、日本女子ツアーは桑木志帆で決まり。昨年に今年ブレークする人に桑木を挙げましたが、当たりましたね。竹田麗央を挙げる人が大半でしょうから、ぼくは桑木で。日本男子ツアーはJGTO新会長はじめ全員が「喝!」。また米ツアー、コミッショナーのジェイ・モナハンにも「喝!」。今年の報酬が34億円だって。LIVとの調整も上手くいっておらず、何の実績も上げていません。PGAツアーは、これまた裏から見たMVPですが、スコッティ・シェフラー。全米プロ時に警察に逮捕、拘束、釈放された後で8位と盛り返したそのタフさに「あっぱれ!」でした。(タケ小山、テレビ解説者、プロゴルファー) ●シニアプロの藤田寛之 僕が推す今年のMVPはシニアプロの藤田寛之です。今年は日本では勝利もなく、賞金ランクも18位と振るわなかったですが、米シニアでは6試合出場、ランク33位ながら全米シニアオープンではプレーオフで敗れるも、2度のトップ3を記録。来シーズフルシード権を獲得して、年間参戦するとのことです。55歳の藤田が今、シニア最高峰の舞台に挑戦する。その意気を買ってMVPにしました。(田中徳市、大学ゴルフ部監督) ●功労賞は青木功と上田桃子 メジャーのエビアンで優勝、年間最少平均ストローク「ベアトロフィ」獲得。世界的活躍をしてくれました。2位は笹生優花、日本人初、2度目の全米女子オープンV。日本では過少評価されていると思います。3位は竹田麗央。国内での活躍は言わずもがな。あと功労賞は青木功、上田桃子。故人に追贈するなら坂田信弘、高橋五月さんです。(70代男性、東京都) ●MVPは断然古江彩佳です メジャーのエビアンを勝ったのもありますし、平均ストローク最少記録のベアトロフィを受賞したのが快挙ですね。このパワー全盛の時代に日本人でも小柄な古江が獲得したのですから、画期的なことです。このメッセージを他の日本女子選手がどう受け取るか、どこまで響くか、そこが問題です。「私でもやれる」というメッセージを出しているのに受け取らないのならば、日本人選手全体の問題とも思います。日本選手の行く道を示しているのに、それに鈍感であれば、日本の行く先は暗いなと思うほどです。(レックス倉本、テレビ解説者、プロゴルファー) ●マスターズ委員会=オーガスタ・ナショナルGC 今年のMVPにはマスターズを主催する「マスターズ委員会=オーガスタ・ナショナルGC」を推します。9月下旬のハリケーン「ヘレン」は、米国南部のジョージア州など5州に甚大な被害をもたらしました。同GCも例外ではなく、壊滅的ともいえる被害を受け、16番パー3はグリーン奥の松の木が2本グリーンに倒れ、バンカーの砂は完全に流されたそうです。それでも同GCは地元の復旧活動支援のため500万ドル(約7億3400万円)を寄付しました。そして来年のマスターズ開催も公表しました。このマスターズ委員会、クラブメンバーたちの負けじ魂、スピリッツにMVPです。(武居振一、R&A会員) ●グリーンキーパーにMVP 今年のMVPにはJGTOの新会長、諸星裕氏を推します。今春、同職を8年間務めた青木功が勇退。後任人事が進められて、大和証券元会長で決まりと思われたが、一転、最後の最後で辞退。白紙に戻り、現場は大慌て。一時は空席で記者発表の醜態をさらすところ、発表の前日に諸星氏に白羽の矢が。諸星氏の快諾にJGTOは救われました。女子ツアーの盛況ぶりとは対照的な問題山積の男子ツアー。火中の栗を拾った諸星氏に激励のエールを込めてMVPを! もう1つのMVPは「猛暑をしのぎ耐えたベントグリーン」に。第4世代も登場しているが、連日のニッポンの熱帯夜を耐え、"おしん"のごとく頑張ったベント芝、その管理に力を注いだグリーンキーパーにMVP。(ゴルフ誌ライター、70代) ※週刊ゴルフダイジェスト2024年12月31日号「山を動かす~2024年ゴルフ界のMVPは誰?」より
週刊ゴルフダイジェスト